- 常勤役員等(経管)や専任技術者(専技)の住民票を遠方に移してよいよね
- 常勤役員等(経管)や専任技術者(専技)の住民票上の住所と居所が異なる場合、常勤性の判断はどうなるの・・・
- 常勤役員等(経菅)や専任技術者(専技)の居所の確認資料ってなに・・・
東京都の建設業許可を取得や維持には、建設会社様に常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)が常勤でいらっしゃる必要があります。
特に、東京都の場合、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)の常勤性の確認資料として健康保険被保険者証(コピー)の提出を求められています。
「そんなことはわかっているよ」「常勤性の落とし穴ってなんだよ」という建設会社様の声が聴こえてきそうです。
常勤役員等(経管)と専技の常勤性の落とし穴(東京都の場合)
弊事務所にご相談にこられた建設会社様で、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の実態としての勤務業態は全く変わらないのに、東京都の建設業許可の廃業になりかかったお客様がいらっしゃいます。
というのも、この建設会社様は東京都の建設業許可の許可要件である常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の常勤性の重要性について余り認識されていなかったからです。
東京都の建設業許可を取得されている建設会社様には、ちょっとしたことで建設業許可を失うことのないよう十分に注意していただきたいと思っています。
常勤役員等(経管)と専技の常勤性の確認資料
この建設会社様の身に何が起こったのかご説明していきます。
東京都某区で営業所を構え、何年も前に東京都の建設業許可を取得されている建設会社様がいらっしゃいます。
既に何回も東京都の建設業許可を更新されており、許可要件について特に問題はありません。
常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)については、東京都の建設業許可の新規取得時よりA代表取締役(社長)となっています。
このA代表取締役(社長)は、東京都A所にお住いになっていましたが、スキーを趣味にしておられ、冬の週末は遠方のC県でスキーを楽しまれておりました。
A代表取締役(社長)にはご子息のB取締役がいらっしゃいます。
そして、この度、A代表取締役(社長)は代表権を返上し会長となられ、ご子息のB取締役に代表取締役(社長)をお譲りになられました。
また、これを機に、A取締役(会長)はご子息のB代表取締役(社長)と東京都B所で同居されることになりました。
通常であれば、A取締役(会長)は東京都A所の住居を引き払って東京都B所に移られ、当然、東京都B所に住民票を移されることになります。
しかし、A取締役(会長)は、趣味とC県の自然をいたく愛されており、なんとC県の別荘にご自身の住民票を移されてしまったのです。
実際には、A取締役(会長)は、ご子息のB代表取締役(社長)のご自宅に同居となり、そのため家賃も光熱費も不要で、ご子息のもと快適に過ごされております。
この東京都某区の建設会社様は、東京都の建設業許可を維持できるのでしょうか。
なお、現在もA取締役(会長)は、この建設会社の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)のままとなっています。
常勤役員等(経管)と専技の住民票上の住所と居所との関係
問題となり得るのが、A取締役(会長)の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)としての常勤性(通勤可能性)についてです。
東京都の場合、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の常勤性の確認に健康保険被保険者証(コピー)の提出を必要としています。
東京都では、先ずは、健康保険被保険者証に事業所名の記載があるか否かで、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)が建設会社に常勤しているかを確認しています。
この東京都某区の建設会社様の場合は、健康保険被保険者証(コピー)の事業者名記載について問題はありません。
では、どう言ったことが問題となり得るのでしょうか。
東京都某区の建設会社様の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)はA取締役(会長)のままです。
しかし、A取締役(会長)の住民票は遠方のC県にあります。
この住民票上の住所でA取締役(会長)の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)の常勤性(通勤可能性)を証明できるのでしょうか。
東京都の建設業許可の場合、仮に住民票上の住所が東京都から遠方であっても、建設会社様に通勤できる実際の居所を証明できるのであれば問題はありません。
「な~んだ、簡単じゃないか」と思った建設会社様は、気をつけてください。
確かに、東京都の場合、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の住民票上の住所と実際の居所が異なっていること自体は問題ではありません。
ただし、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)が建設会社様に通勤できる居所に実際に住んでいることの証明を必要としています。
- 居所の賃貸借契約書
- 公共料金の支払い等の証明
通常の場合、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の居所の賃貸借契約書や公共料金支払い等を用いて東京都に常勤性(通勤可能性)を証明することになります。
常勤役員等(経管)と専技の居所の確認資料と補強資料
「よかった」と思った建設会社様、まだ安心できませんよ。
このA取締役(会長)は、どちらにお住まいでしたでしょうか、よく思い出してください。
A取締役(会長)は、ご子息のB代表取締役(社長)のご自宅に同居されています。
A取締役(会長)は賃貸借契約などしているわけもなく、また、公共料金の支払もB代表取締役(社長)の名義となっており、親子ということで公共料金の支払いもしておられません。
つまり、住民票上の住所と異なる居所で常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の常勤性を確認する場合の通常の常勤性(通勤可能性)の証明方法を使うことができないのです。
「大変、どうしょう」
東京都の建設業許可の場合、こういったケースではどうすれば常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の常勤性(通勤可能性)を証明できるのでしょうか。
東京都に提出するものとして、最低限用意しなければならないものがあります。
- 郵便物
- 通勤定期またはETC履歴
先ずは、A取締役(会長)宛の郵便物が居所宛で確実に届いているかです。
なるべく公的なA取締役(会長)宛の郵便物を直近のものを含め複数ご用意いただく必要があります。
次に、A取締役(会長)が公共交通機関を利用して建設会社に出勤されているのであれば、最低3ヶ月以上の通勤定期を準備しなければなりません。
もし、A取締役(会長)が車で建設会社まで通勤されているのであれば、ETC履歴を最低3ヶ月以上提出する必要があります。
これで終わりではありません。
この他の補強書類として、次の資料の準備も必要となります。
- 出勤簿
- 日報
- 会社の座席表
A取締役(会長)の出勤簿や日報も最低3ヶ月分は必要となります。
建設会社様は、これらの資料を準備した上で、東京都の建設業許可の厳しい審査を受けることになります。
ただし、これらの資料があれば良いというわけではありません。
あくまでも東京都の審査によって、A取締役(会長)の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)としての常勤性(通勤可能性)を推定していただくことになります。
仮に、これらの資料によっても東京都に常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の常勤性を認めていただけなかった場合、この建設会社様は建設業許可を廃業しなければならないのです※。
※建設会社様の状況によっては、東京都の建設業許可の維持のために、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の交代を避けられない場合もあります。
<注>
※現在、常勤役員等(経管)・専任技術者(専技)の常勤性の確認に、住民票の提出は求められていません。
※従って、東京都の実際の審査上では、各申請書に記載された住所によって常勤性(通勤可能性)を確認しているようです。
※但し、例えば、各申請書に記載されている住所と登記されていることの証明書に記載されている住所(=住民票上の住所)が異なる場合には、住民票上の住所と居所の関係を証明する必要が生じます。
※常勤性の証明書類として住民票の提出は不要となっていますが、東京都の建設業許可の申請においては、やはり気を付けたい落とし穴となっています。
東京都の建設業許可でお悩みの建設業者様へ
さまざまな個人的な事情があったにせよ、東京都某区の建設会社様の場合、A取締役(会長)は、初めから同居するご子息のB代表取締役(社長)のご自宅に住民票を移しておれば、こんな大事にはならなかったと思われます。
常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)の住民票ひとつで東京都の建設業許可を失ってしまう可能性もあるのです。
東京都の建設業許可をお持ちの建設会社様は、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)について何らかの変更を行う際は、許可要件を損なうことにならないか注意してください。
弊事務所では、東京都の建設業許可の取得や維持にお困りの建設会社様からのご相談を積極的に承っております。
東京都の建設業許可でお悩みの建設業者様は、お気軽に弊事務所までお問い合わせください。
行政書士に東京都の建設業許可の新規申請を依頼する場合(ご参考)
行政書士に東京都の建設業許可の新規申請をご依頼される際のご依頼の流れ・行政書士の料金・法定手数料等は、以下の通りとなります。
ご依頼の流れ
東京都の建設業許可の新規申請をご希望される場合のご依頼の流れとなります。
お客さま | お電話・メールにて相談(無料)をご予約ください。 |
行政書士 | 東京都の建設業許可の新規申請のご相談をいたします。 |
お客さま | 相談内容にご納得の後、業務の正式なお申込み。 |
料金の目安
行政書士にて、東京都の建設業許可の新規申請をサポート・代行させていただく際の料金目安となります。
許可の種類 | 許可区分 | 証明方法 | 報酬額目安(税抜) |
---|---|---|---|
東京都知事許可 | 一般 | 国家資格 | 150,000円~ |
実務経験 | 180,000円~ | ||
特定 | 200,000円~ |
法定手数料・登録免許税など
行政書士の料金目安の外に、東京都の建設業許可を新規取得するために必要となる諸費用となります。
許可の種類 | 法定手数料 | 登録免許税 | その他の実費 |
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東京都知事許可 | 90,000円 | - | 数千円程度 |
無料相談のお薦め
弊事務所では初回のご相談を原則的に出張相談でお受けしております。
この初回出張相談は無料となっております。