特集:建築一式工事の建設業許可の全体像を徹底解説

  • 住宅建築工事を請け負うためには、建築一式工事の許可を必要とするの
  • 建築一式工事の建設業許可にも種類があるって本当なの・・・
  • 建築一式工事を取りたいけど、建設業許可について何も知らない・・・
  • 建築一式工事の許可を取るには何に気を付ければ良いの・・・
  • 建築一式工事の許可を取るための要件って、どんな要件があるの・・・

建築一式工事の建設業許可の取得を希望されている事業者様から、「建築一式工事の対象となる工事や必要な許可の種類について良く分からない。」という声をお聴きいたします。

中には、「何かしらの建物を立てる場合は、必ず建築一式工事の許可を必要とするのか」とか、「建築一式工事の許可を取れば、どんな工事でも請け負えるだろう」とお考えになる事業者様もいらっしゃいます。

建設業許可の制度

更には、「全国で住宅建築の施工をしたいので、大臣許可を取りたい」とか、「大きな工事を受注するには、特定建設業でなければならないのか」というご質問をお受けすることもございます。

ご相談される事業者様は、日々のお忙しいお時間の中、例えば、施工現場の昼休みや休憩時間を使って建築一式工事の建設業許可についてお調べになられています。

従って、調べる時間も細切れになり、その中で、建築一式工事や建設業許可について正確な知識を得たり、正確に理解したりすることは至難の業でございます。

そのため、さまざまなご質問がでてくるのも無理はないことと思われます。

そこで、本記事では、「特集:建築一式工事の建設業許可の全体像を徹底解説」と銘打ち、建築一式工事の許可取得を希望される事業者様に、「建設業許可の制度から建築一式工事の許可要件まで」をご理解いただけるよう徹底解説いたします。

建設業法の目的

建設業法第1条は、「この法律は建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」と定めています。

つまり、建設業法は、当面の目的として、①建設工事の適正な施工②発注者の保護③建設業の健全な発達の促進を掲げているのです。

また、その目的の達成手段として、①建設業許可制度の実施②建設工事の請負契約の適正化③下請負人の保護④建設工事の施工技術の確保⑤建設工事に関する紛争の解決⑥建設業者等に対する必要な監督等の規定が織り込まれています。

建設業許可の制度は、建設業を営む者の資質を向上させるための具体的な施策として位置づけられているのです。

従って、建築一式工事の建設業許可を取得したいとお考えの事業者様も、建設業法にそって許可を取得し、事業を進めて行かなければなりません。

建設業の許可と種類

では、建設業法は、建設業に関係する全ての仕事や業務について許可を取得するよう事業者に求めているのでしょうか。

先ずは、建設業法が考えている建設業の許可や種類について確認していきます。

建設業とは

建設業とは、元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負うことを言います。

ここで言っている請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約束する契約のことを意味しています(請負契約)。

従って、不動産業者が建物を購入し売却しても建設業ではありません。

また、建売業者が自己所有地に建物を建築しても建設業ではありません。

資材購入、調査業務、運搬業、警備業務も建設工事の請負には当たらないので建設業ではありません。

点検工事を建設業と思われている事業者様もいらっしゃいますが、点検工事等の保守点検も建設工事に該当しません。

次に、建設業許可を必要とする者の基準はどういったものなのでしょうか。

許可を必要とする者

建設業を営もうとする者は、軽微な工事を除き、全て建設業許可の対象です。

更に、建設業の種類(業種)ごとに、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受ける必要もあります。

注意すべき点は、建築一式工事と建築一式工事以外の建設工事では許可を受けなくともできる工事、つまり、軽微な建設工事の内容に違いがあるということです。

建築一式工事の場合、①1件の請負代金が1,500万円未満(含、消費税)の工事②請負代金の額に関係なく、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事については建設業許可を必要としません。

②の木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するものとされています。

これをまとめると、建築一式工事の場合、1件の請負金額が1,500万円以上(含、消費税)で木造住宅以外の工事については、建設業許可を取得しなければならないということになります。

<許可を受けなくてもできる工事(軽微な工事)>

建築一式工事以外の建設工事 1件の請負代金が500万円未満の工事(含、消費税)
建築一式工事で右のいずれかに該当するもの (1)1件の請負代金が1,500万円未満の工事(含、消費税)

(2)請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)

更なる注意点として、1件の工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計金額で許可を必要とするか否かを判断されます。

注文者が材料を提供する場合においても、市場価格又は市場価格及び運搬費を請負代金の額に加えた額で判断されます。

許可の種類

建設業許可には、①国土交通大臣許可②都道府県知事許可の2種類があります。

  • 国土交通大臣許可 二つ以上の都道府県に営業所がある場合
  • 都道府県知事許可 一つの都道府県のみに営業所がある場合

事業者様からのご質問として、「都道府県知事許可の場合、その都道府県内の建設工事しか請け負うことができないのですか」というものがあります。

都道府県知事許可の場合でも、建設工事自体は営業所の所在地に関係なく、他の都道府県内においても施工することができます。

確かに、東京都から建築一式工事の許可を受けた建設業者様は、東京都内の本支店のみで営業活動(工事請負契約の締結)を行わなければなりません。

しかし、その本支店で締結した契約に基づいた建築一式工事は、営業所のない他の都道府県でも施工することができるのです。

東京都知事許可の建築一式工事を取得すると、東京の本支店名で工事請負契約を行う必要はありますが、北は北海道、南は沖縄まで日本全国の工事を施工することができます。

ここで少し補足情報です。

先程から何度も出てきている営業所とは、請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所のことを意味しています。

常時建設工事の請負契約を締結する事務所は当然に営業所に当てはまります。

加えて、常時建設工事の請負契約を締結する事務所でない場合であっても、他の営業所に対し指導監督を行う等建設業に係る営業に実質的に関与している事務所も、営業所に該当します。

従って、直接、建設業の請負契約を締結しないからと言って、営業所に当たらないと考えてはいけません。

事務所の実態によっては、都道府県知事許可ではなく国土交通大臣許可を取得しなければならないケースもあるのです。

建設工事と建設業の種類

建設工事とは、土木建築に関する工事で建設業法別表第一の上欄に掲げる29種類のものを言っています。

<建設業法別表第一の上欄>

土木一式工事 鋼構造物工事 熱絶縁工事
建築一式工事 鉄筋工事 電気通信工事
大工工事 舗装工事 造園工事
左官工事 しゅんせつ工事 さく井工事
とび・土工・コンクリート工事 板金工事 建具工事
石工事 ガラス工事 水道施設工事
屋根工事 塗装工事 消防施設工事
電気工事 防水工事 清掃施設工事
管工事 内装仕上工事 解体工事
タイル・れんが・ブロック工事 機械器具設置工事

29種類の工事業種の中には、一式工事と呼ばれる工事業種が建築一式工事と土木一式工事の2業種、専門工事と呼ばれる工事業種が27業種あります。

大切なことは、建設業許可は工事業種ごとに許可を取得しなければならないと言うことです。

建設業という工事業種は存在しないのです。

建築一式工事の内容

では、一式工事に位置づけられている建築一式工事の内容はどのような工事なのでしょうか。

建築一式工事とは、「原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下に建築物を建設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事」とされています。

わかりづらいですね。

内装仕上工事等の専門工事との関係で考えてみましょう。

建築一式工事は、複数の専門工事を組み合わせて建築物を作る工事と理解されています。

また、工事の規模や複雑さなどにより、専門工事では施工できないような工事を意味しています。

例えば、一般にリフォーム工事と言われる工事の多くは内装仕上工事等の専門工事に当たります。

但し、大規模なリフォーム工事で、建築確認を必要とする増改築の場合には、建築一式工事とされるケースもあります。

従って、大規模改修の場合、許可行政庁に個別に事前相談してみることも重要となります。

まとめると、建築一式工事の代表例は、住宅建築の新築工事や建築確認を必要とする規模の増改築工事と言うことになります。

尚、事業者の中には、建築一式工事の許可を取得すると、他の専門工事を全て請け負えるとお考えの方がいらっしゃいます。

建築一式工事の建設業許可は、あくまでも工事全体の施工管理を担うものです。

従って、各専門工事の許可を持っていない場合、500万円以上(含、消費税)の専門工事を単独で請け負ってはいけません。

内装仕上工事等の必要となる専門工事の建設業許可を個別に取得しておく必要があります。

<平成28年6月1日に追加された解体工事業との関係>

総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を解体する工事については、解体工事業ではなく建築一式工事に該当するとされています。

営業所の要件

建設業法上の営業所とは、本店、支店、または常時建設工事の請負契約を締結する事務所のことを言っています。

そして、例えば、次のような要件を備えている事務所でないと建設業許可を取得することはできません。

<営業所の要件>

  •  外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結等の実体的な業務を行っていること
  •  電話、机、各種事務台帳等を備えていること
  •  契約の締結等ができるスペースを有し、かつ、居住部分、他法人又は他の個人事業主とは間仕切り等で明確に区分されているなど独立性が保たれていること
  •  営業用事務所としての使用権限を有していること(自己所有の建物もしくは賃貸借契約等を結んでいること、住居専用契約は原則認められません)
  •  看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してあること
  •  経営業務の管理責任者又は建設業法施行令第3条に規定する使用人(建設工事の請負契約締結等の権限を付与された者)が常勤していること
  •  専任技術者が常勤していること

単なる登記上の本店や、事務連絡所、工事事務所、作業所等は、建設業法上の営業所に該当しません。

少し補足説明いたします。

営業所に関して、「バーチャルオフィスやフリーロケーションのオフィスで建設業許可を取得できるか」というご質問をお受けすることがあります。

これらのオフィスについては残念ながら営業所要件を満たしていると認定されないと思われます。

ただ、レンタルオフィスの場合、契約内容や他法人等と明確に区分されているケースでは、まれに認められることもあります(原則は認められません)。

許可行政庁によっては、例えば、2年以上の賃貸借契約を締結しており、明確に他社と区分されている事務所であれば、レンタルオフィスでも営業所と認めてもらえることもあります。

そう言ったレンタルオフィスの場合には、許可行政庁に事前に相談し、許可の見通しを確認しておく必要があります。

また、UR賃貸住宅やJKK住宅供給公社、都営住宅についても同様のご質問をお受けします。

UR賃貸住宅、JKK住宅供給公社、都営住宅についても原則営業所として認められません。

最後に個人住宅の場合の注意点をご説明いたします。

個人住宅の場合、事務所スペースとリビング等居住空間とを明確に区分していなければなりません。

リビングを通らないと事務所(執務スペース)に入れない間取りの場合、営業所として認められない可能性が近年高くなっています。

個人住宅の場合、許可行政庁によっては、見取図や間取図の追加提出を求められることもあります。

建設業の許可区分(一般建設業と特定建設業)

建設業の許可は、一般建設業と特定建設業とに区分されています。

そして、同一業種については、一般建設業と特定建設業の両方の許可を受けることはできません。

但し、別の工事業種であれば一般建設業と特定建設業の許可を同時に受けることはできます。

つまり、建築一式工事の特定建設業許可と一般建設業許可を受けることはできませんが、建築一式工事の特定建設業許可と内装仕上工事の一般建設業許可を受けることはできるのです。

特定建設業の制度は、下請負人の保護等のために設けられている制度のため、次のような法令上の特別な資格や義務を課されています。

下請金額の制限

建築一式工事の元請として、下請に出す工事の下請金額の合計額が6,000万円(含、消費税)以上になる場合、特定建設業許可を必要とします。

従って、建築一式工事の元請でも、下請工事の合計額が6,000万円未満(含、消費税)の場合、一般建設業許可で請け負うことが可能です。

<下請契約金額の制限>

元 請 元 請
特 定 建 設 業  一 般 建 設 業
建築一式工事の場合   6,000万円以上

建築一式工事以外の場合 4,000万円以上

(複数の下請業者に工事を発注する場合は、その合計)

建築一式工事の場合   6,000万円未満

建築一式工事以外の場合 4,000万円未満

工事の全てを自社施工

尚、下請金額の制限は、元請業者のみに課されるので、二次以降の下請に対する下請契約について金額制限はありません。

また、仮に、全ての工事を自社施工する場合、下請工事自体が存在しませんので、特定建設業許可は必要ありません。

※契約書等において、発注者(施主)の事前承諾を得た場合を除き、工事の全部を下請に発注することはできません。

※更に、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律で、公共工事における一括下請は禁止されています。

※一括下請の禁止は二次以降の下請にも適用されます。

特定建設業許可は、下請金額の制限の他、専任技術者や財産的基礎についても、一般建設業許可に比べて厳しい許可基準が定められています。

これらの許可基準については、各々の許可要件の解説の中でご説明いたします。

許可の有効期間(5年間)

建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目の許可日に対応する日の前日をもって満了となります。

許可の有効期間の末日が、日曜日等の行政庁の閉庁日であっても同様の取り扱いになるので注意を必要とします。

また、引き続き建築一式工事等の建設業許可を営もうとする場合、期間が満了する日の30日前までに、許可を受けた時と同じ手続により更新の手続を取らなければなりません。

更新の手続を取らない場合、期間満了とともに、建築一式工事等の建設業許可はその効力を失ってしまいます。

従って、それ以降は、軽微な工事の範囲でしか営業をすることができません。

尚、更新申請が許可行政庁に受理されていれば、有効期間の満了後も許可等の処分があるまでは、従前の許可は有効となります。

許可を受けるための要件

建築一式工事等の建設業許可を受けるためには、次の資格要件を全て備えていなければなりません。

  •  経営業務の管理責任者が常勤でいること
  •  専任技術者を営業所ごとに常勤で置いていること
  •  請負契約に関して誠実性を有していること
  •  請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  •  欠格要件等に該当しないこと

経営業務の管理責任者の要件

法人では常勤の役員(持分会社の業務を執行する社員、株式会社もしくは有限会社の取締役、指名委員会等の設置会社の執行役、これらに準ずる者)のうち1人が経営業務の管理責任者(経管)の許可基準を満たさなければなりません。

また、個人では本人または支配人のうち1人が経営業務の管理責任者(経管)の許可基準を満たす必要があります。

尚、経営業務の管理責任者(経管)の許可基準は、一般建設業許可も特定建設業許可も同じ基準となります。

<経営業務の管理責任者の許可基準>

1 許可を受けようとする建設業(業種)に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

2 上記と同等以上の能力を有する者と認められた者

(1) 許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者

① 経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会または代表取締役から具体的な権限移譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験

② 6年以上経営業務を補佐した経験

(2) 許可を受けようとする建設業以外の建設業(業種)に関し6年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

(3) その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

ここで言う経営業務の管理責任者(経管)としての経験とは、営業取引上、対外的に責任を有する地位(法人の役員または委員会設置会社における執行役、個人事業主または建設業法施行令第3条に規定する使用人等)にあって、建設業の経営業務について総合的に管理・執行した経験を言います。

更に、経営業務の管理責任者(経管)は常勤の者であることが必要です。

常勤とは、原則として本社、本店等において、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画の下に毎日所定の時間中、その職務に従事していることを言っています。

2以上の業種の許可を申請する場合は、当該業種について、それぞれ許可の基準の1の基準を満たしている者がいなければなりません。

もしくは、いずれかの業種について、許可の基準の2(2)の基準を満たしている者がいなければなりません。

<建築一式工事の経営業務の管理責任者の許可基準(例)>

例えば、建築一式工事の許可業者で、その会社の取締役を5年以上務めていた方が、自社の常勤の取締役であれば、建築一式工事の経営業務の管理責任者(経管)になることができます(許可の基準1の場合)。

また、建築一式工事以外の許可業者で、その会社の取締役を6年以上務めていた方が、自社の常勤の取締役であれば、建築一式工事の経営業務の管理責任者(経管)になることができます(許可の基準2(2)の場合)。

※許可の基準の2(1)②については、個人事業主の死亡等により、実質的な廃業となること(許可基準が満たされなくなること)等を救済する場合に適用する特別な基準となっています。

※また、経営業務の管理責任者は、建設業の他社の技術者及び他の法令により専任性を要するとされる管理建築士、宅地建物取引士等を兼ねることができません。

※但し、同一法人で同一の営業所である場合には、例外的に兼ねることが許されています。

専任技術者の要件

全ての営業所には、許可の基準を満足する専任技術者(専技)を置かなければなりません。

専任技術者(専技)の許可の基準は、経営業務の管理責任者(経管)と違って一般建設業許可と特定建設業許可では異なる許可の基準が採用されています。

<一般建設業許可の許可基準>

1 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者

(1) 学校教育法による高校(含、旧実業学校)指定学科卒業後5年以上、大学(含、高等専門学校・旧専門学校)指定学科卒業後3年以上の実務経験を有する者

(2) 10年以上の実務経験を有する者(学歴・資格不問)

(3) (1)(2)に掲げる者と同等以上の知識・技術・技能を有すると認められた者

① 指定学科に関し、旧実業学校卒程度検定に合格後5年以上・旧専門学校卒業程度検定に合格後3年以上の実務経験を有する者

② 一級・二級の国家資格等に該当する者

③ 学校教育法による専修学校指定学科卒業3年以上の実務経験を有する者で専門士または高度専門士を称する者

④ 学校教育法による専修学校指定学科卒業後5年以上の実務経験を有する者

⑤ その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者

<特定建設業許可の許可基準>

1 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し、次に掲げるいずれかの要件に該当する者

(1) 一級の国家資格等に該当する者

(2) 一般建設業許可の要件(1)(2)(3)に該当し、かつ、元請として消費税を含み4,500万円以上の工事に関し、2年以上の指導監督的な実務経験を有する者

(3) 国土交通大臣が、(1)又は(2)に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者

2 指定建設業については、上記の(1)または(3)に該当する者

専任技術者(専技)とは、その営業所に常勤して専ら職務に従事することを要する者を言っています。

複数業種の許可を申請する場合で、技術者の国家資格等の各々の基準を満たす者がいる場合は、同一の営業所内であればその技術者は複数業種の専任技術者を兼ねることができます。

更に、経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者(専技)との双方の基準を満たしている者は、同一営業所内においては、経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者(専技)を1人で兼ねることができます。

専任技術者(専技)は、建設業の他社の技術者および他の法令により専任性を要するとされる管理建築士、宅地建物取引士等を兼ねることはできません。

但し、例外的に同一法人で同一の営業所である場合は兼ねることができます。

専任技術者(専技)の要件として問われている実務経験とは、許可を受けようとする建設工事(業種)に関する技術上の経験のことを言っています。

具体的には、建設工事の施工を指導、監督した経験や実際に建設工事の施工に携わった経験を意味しています。

更に、この実務経験は、請負人の立場における経験だけではなく、建設工事の注文者側において設計に従事した経験や現場監督技術者としての経験も含まれます。

但し、工事現場の単なる雑務や事務の仕事については実務経験には含まれません。

※実務経験で2業種以上申請する場合、1業種ごとに原則10年以上の経験を必要とします。

※期間を重複することはできないため、仮に2業種申請する場合は原則として20年以上の経験を必要とします。

特定建設業許可に必要となる指導監督的実務経験とは、建設工事の設計または施工の全般について、元請として工事現場主任又は工事現場監督のような資格で工事の技術面を総合的に指導した経験を言っています。

また、次の7業種については、施工技術の総合性等を考慮して指定建設業と定められています。

<指定建設業>

  • 土木工事業
  • 建築工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 舗装工事業
  • 造園工事業

指定建設業の特定建設業許可を取得しようとする場合、専任技術者(専技)は一級の国家資格者、技術士または国土交通大臣が認定した者のみとなります。

<建築一式工事の一般建設業許可の専任技術者となれる国家資格者(許可の基準1(3)②の例)>

  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(建築)
  • 一級建築士
  • 二級建築士

※建築一式工事の一般建設業許可の専任技術者(専技)になるには、国家資格者の他に、理論的には指定学科+実務経験・実務経験等の証明により認められるルートがあります。

<建築一式工事の特定建設業許可の専任技術者となれる国家資格者(許可の基準1(1)の例)>

  • 一級建築施工管理技士
  • 一級建築士

※建築一式工事の特定建設業許可の専任技術者(専技)になるには、実質的には、国家資格者によるルートに限られていると言えます。

誠実性

誠実性では、請負契約に関して、不正また不誠実な行為をするおそれが明らかな者ではないことを要求されます。

ここで言う不正な行為とは、請負契約の締結または履行の際の詐欺、脅迫等、法律に違反する行為を言います。

不誠実な行為とは、工事内容、工期等、請負契約に違反する行為を言います。

財産的基礎等

<一般建設業の財産的基礎>

自己資本とは、法人では貸借対照表「純資産の部」の「純資産合計」の額を言っています。

個人では、機首資本金、事業主借勘定および事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に、負債の部に計上されている利益留保性の引当金および準備金の額を加えた額を意味します。

資金調達能力については、取引金融機関発行の500万円以上の預金残高証明書(証明日(「○月○日現在」)後1ヶ月以内有効)により判断されます。

この取引金融機関の預金残高証明書は、同日の証明であれば、複数の金融機関のものでも問題はありません。

<特定建設業の財産的基礎>

申請時直近の確定した貸借対照表(定時株主総会の承認を得たもの)において、次の①から④までの全ての事項に該当していることが必要です。

①欠損比率 20%以下

②流動比率 75%以上

③資本金額 2,000万円以上

④自己資本 4,000万円以上

<特定建設業の財産的基礎要件の計算式>

  事 項   法 人 の 場 合
① 欠損比率 繰越利益剰余金の負の額-(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(除、繰越利益剰余金)/資本金×100≦20%
② 流動比率 流動資産合計/流動負債合計×100≧75%
③ 資本金額 資本金≧2,000万円
④ 自己資本 純資産合計≧4,000万円

個人の場合、決算期が未到来の場合には、4,000万円以上の預金残高証明書(証明日の「○月○日現在」後1ヶ月以内有効)を提出して下さい。

欠損比率については、繰越利益剰余金がある場合や資本剰余金(資本剰余金合計)、利益準備金及びその他利益剰余金(繰越剰余金を除く)の合計が繰越剰余金の負の額を上回る場合、その時点で要件を満たしています。

特定建設業の場合、許可の更新時の直前1期前に財産的基礎要件の基準を満たしているか注意する必要があります。

財産的要件を満たしていないと、特定建設業許可を更新することはできません。

特定建設業許可の更新を受けられなかった建設業者様は、公共工事や大規模な工事への取り組みに大きく打撃を受けることになります。

欠格要件等

欠格要件に該当するものは、建設業許可を受けることはできません。

主な欠格要件は、以下の通りとなっています。

1 許可申請書若しくは添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けているとき

2 法人にあってはその法人の役員等、個人にあってはその本人、その他建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人・支店長・営業所長等)が、次の要件に該当しているとき

① 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ないもの

② 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されて5年を経過しない者

③ ②に該当するとして聴聞の通知を受け取った後、廃業の届出をした場合、届出から5年を経過しないもの

④ 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき、あるいは請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しないもの

⑤ 禁固以上の刑に処されその刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

⑥ 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、又は刑法等の一定の罪を犯し罰金刑に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

⑦ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(⑧において「暴力団等」という)

⑧ 暴力団員等がその事業活動を支配する者

※⑤に関連して、建築一式工事の建設業許可を取得されたい事業者様から「執行猶予期間中はどうなるのか」というご質問をお受けすることがございます。

※残念ながら、執行猶予期間中は欠格要件に該当してしまいます。

※但し、その方の執行猶予期間が明けていれば問題はありません。

※また、法人の場合、役員(取締役)だけではなく、相談役や顧問についても該当する者がいないか、注意しておかなければなりません。

建築一式工事の建設業許可の全体像を徹底解説(まとめ)

ここまで建築一式工事の許可を取得されたい事業者様に、「建設業許可の制度から建築一式工事の許可要件」まで徹底解説してまいりました。

「建設業許可の制度から建築一式工事の許可要件」のまとめとして、建設業許可の許可要件を箇条書きにして挙げておきます。

<許可を受けるための資格要件>

  • 経営業務の管理責任者(経管)が常勤でいること
  • 専任技術者(専技)を営業所ごとに常勤で置いていること
  • 請負契約に関して誠実性を有していること
  • 請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  • 欠格要件等に該当しないこと

ここには挙げていませんが、営業所の要件もとても重要となります。

許可要件の内容を思い出せない場合は、この記事の該当箇所を再度お読みいただき、改めてご理解を深めていただければと思っております。

それでも、「建築一式工事の許可取得について、やはり良くわからない」「忙しくて、手続を調べたり準備したりする時間が取れない」とお困りの事業者様は、お気軽にお問い合わせください。

弊事務所では、建築一式工事の建設業許可の取得でお悩みの事業者様からのご相談を積極的に承っております。

弊事務所では、建築一式工事の建設業許可について、人的・物的・財産的要件の確認から、必要書類の収集、申請書の作成、行政庁への提出代行と手続全般をサポートしております。

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