- 新築住宅については、請負者は住宅の欠陥を直す義務を負うの
- 住宅瑕疵担保履行法に基づく請負者の資力確保措置とは、何のこと・・・
- 建設業許可業者は、新築住宅を引渡したら毎年届け出るの・・・
発注者(施主様)にとって、新築住宅の建築は、一生に一度の大きな買い物であり、住宅の耐震性や住宅の欠陥等とても不安に感じられています。
住宅の欠陥に多いのは、雨漏りや基礎・柱の欠陥であり、特に、基礎・柱については、欠陥により家を傾かせてしまうこともあります。
住宅瑕疵担保履行法の概要
住宅瑕疵担保履行法は、住宅品質確保法に定める新築住宅の請負人が負っている10年間の瑕疵担保責任の履行を確保するために制定されています。
具体的には、発注者に新築住宅を引渡すには、「保険への加入」または「保証金の供託」によって資力確保措置を準備しておかなければなりません。
また、住宅品質確保法に定める新築住宅の請負人が負っている10年間の瑕疵担保責任の対象は、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分となっています。
<住宅品質確保法に基づく新築住宅の請負人等に係る瑕疵担保責任>
- 構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分について、引き渡し後10年間の瑕疵担保責任を負う
更に、住宅瑕疵担保履行法は、建設業許可業者様に対し、年1回の基準日(3月31日)ごとに、引渡した新築住宅の戸数・資力確保措置の状況等を許可行政庁に届けるよう求めています。
資力確保の仕組み
新築住宅の請負人は、新築住宅を発注者に引渡す際には「住宅瑕疵担保保証金の供託」または「住宅瑕疵担保責任保険への加入」を必要とされています。
<資力確保の仕組み>
- 住宅瑕疵担保保証金の供託
- 住宅瑕疵担保責任保険への加入
住宅瑕疵担保保証金の供託については、過去10年間の供給戸数に応じて「住宅瑕疵担保保証金」を供託します。
住宅瑕疵担保責任保険に加入した場合は、保険加入している住宅は供託金の算定個数から除外されることになっています。
建設業許可業者様は、指定を受けた保証法人との間で保証契約を締結し、瑕疵が判明した場合は、その補修費用が保険金によって補填されることになっています。
届出対象となる事業者
資力確保を求めらる建設業者様は、新築住宅を引き渡した元請の建設業者を対象としています。
また、建築一式工事(建築工事業)・大工工事(大工工事業)の建設業許可を受けた建設業者様にて請け負う新築住宅の建設工事を主な対象としております。
ただし、それ以外の業種の建設業許可を受けた建設業者様によって、住宅品質確保法の特定瑕疵担保責任の範囲(新築住宅の構造耐力上主要な部分または雨水の侵入を防止する部分)を施工する場合も対象となっています。
こちらも注意を必要とします。
尚、元請の建設業者様が請負契約全体に関して瑕疵担保責任を負っているため、下請の建設業者様は資力確保措置を行う必要はありません。
<新築住宅>
- 人の居住の用に供したことのない住宅
- 建設工事の完了日から起算して1年以内の住宅
※含む、賃貸用物件(アパート・社宅等)
※発注者が宅地建物取引業者の場合は対象外
届出の期間
届出の対象となる建設業者様は、年1回の基準日(3月31日)から3週間以内に許可行政庁に届出を行わなければなりません(基準日の翌日起算)。
<届出期間等>
- 基準日(3月31日)から3週間以内
- 基準日前1年間に引き渡した新築住宅について届出の要有
注意すべきは、一度届出の対象となった建設業者様は、その後新たな新築住宅の引渡しが無くとも、届出対象となった新築住宅に対する瑕疵担保責任が続いている期間(10年間)は基準日ごとに届出しなければならないことです。
※届出は、許可行政庁への郵送か窓口提出(詳細は、各行政庁に確認の要あり)
新規契約の制限
建設業者様が資力確保措置やその状況に関する届出を行わない場合、基準日の翌日から50日を経過した日以降において、新たな新築住宅の請負契約を締結することは禁止されます。
発注者への説明等
消費者保護の観点から、発注者(施主様)に対しては、発注者(施主様)の取得する新築住宅について、供託・保険のいずれにより資力確保措置を行っているのか知らせておかなければなりません。
これにより、万が一瑕疵が判明したにもかかわらず、建設業者様が瑕疵担保責任を履行しない場合でも、発注者(施主様)は、住宅瑕疵担保証金の還付請求、住宅瑕疵担保責任保険の保険金の支払請求を行えることになります。
また、供託の場合、発注者は、他の債権者に先立ち、住宅瑕疵担保保証金から優先弁済を受ける権利を得ることになります。
その他の注意点
建設業者は、資力確保措置の状況について、建設業法に基づき帳簿に記載の上、10年間保存しなければなりません。
<帳簿記載事項>
- 床面積
- 瑕疵担保負担割合(共同請負の場合)
- 保険法人の名称(保険加入の場合)
保険加入の場合、住宅完成後、発注者への引渡し前に、保険法人への保険証券発行申請を行い、保険証券と発注者向けの証明書の発行を受けておく必要もあります。
更に、発注者向け証明書は、必ず発注者に交付しなければなりません。
監督処分と罰則
建設業者様が資力確保措置等の義務に違反した場合、住宅瑕疵担保履行法に基づく罰則等を科されるほか、建設業法に基づく監督処分を課されることもあります。
建設業許可業者様の住宅瑕疵担保履行法に基づく届出(まとめ)
本記事では、建設業許可業者様の住宅瑕疵担保履行法に基づく届出について、その趣旨と概要を簡単にご説明しております。
建築一式工事(建築工事業)や大工工事(大工工事業)の許可業者様だけではなく他の建設業許可業者様においても、住宅品質確保法や住宅瑕疵担保履行法のご理解を深めていただき、適正な届出を行っていただきたいと思っております。
<特に注意を要する事項>
- 一度届出を行った以後に新築住宅の引渡実績のない場合であっても、届出対象となった新築住宅に対する瑕疵担保責任の継続期間中(10年間)は届出を必要とすること
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