建築一式工事の経営事項審査上の完成工事高を増やす方法

  • 完成工事高の業種間積み上げ申請とは、どのような申請ですか
  • 建築一式工事も完成工事高の積み上げ申請をすることができますか・・・
  • 建築一式工事の完成工事高の振替では、どんな書類を必要としますか・・・

建築一式工事の建設業者様の中には、当たり前ですが、現在の売上を増やしたいとお考えの方が沢山いらっしゃいます。

特に、経営事項審査(経審)を受審して、入札参加資格を申請し、地元の地方公共団体からの建築一式工事の受注を増やしていきたいとご希望の許可業者様も多くいらっしゃいます。

入札参加資格申請の前提となる経営事項審査(経審)の総合評点値(P点)を上げるためには、「売上を上げること」と「利益を上げること」が最も効果的です。

これは、当然のことで、建築一式工事の許可業者様には、引き続き営業に力をいれていただくことになります。

ここでお話しを終えたら、建築一式工事の許可業者様からは、「そんなことは言われなくともわかっている」「それが難しいから、困っているんだ」と怒られてしまいます。

では、建築一式工事の許可業者様の経営事項審査(経審)の総合評点値(P点)を上げる方法として、他に何か効果的な方法はないのでしょうか。

今回の記事では、経営事項審査(経審)における完成工事高・元請完成工事高の取り扱いに着目して、その方法を探っていきます。

完成工事高・元請完成工事高の業種間積み上げ(加算)

審査対象建設業が建築一式工事の場合、許可を持っている専門工事の完成工事高と元請完成工事高を、その内容に応じて、建築一式工事の完成工事高と元請完成工事高に含めることができます。

これを、完成工事高・元請完成工事高の「業種間積み上げ(加算)」と言います。

また、完成工事高・元請完成工事高の「業種間の振替」と言うこともあります。

なお、振替元・振替先の業種には、経営事項審査(経審)の申請時に建設業許可を必要としています。

<建築一式工事における事例(東京都の場合)>

振替先の一式工事 振替元の専門工事
建築一式工事 大工、左官、とび・土工・コンクリート、屋根、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、建具、解体

「業種間積み上げ(加算)」できる振替元の専門工事については審査行政庁によって異なる場合があるので、注意を必要とします。

例えば、建築一式工事の場合、とび・土工・コンクリート、鋼構造物等による振替を認めない審査行政庁があります。

なお、「業種間積み上げ(加算)」を利用する場合、例えば、工事種類別完成工事高付表 別記様式第1号等の作成を求められます。

参考までに記入例を記載しておきます。

工事種類別完成工事高付表

様式第1号

工事種類別完成工事高付表

工事種類別元請完成工事高

申請者 〇〇〇株式会社

経営規模等評価対象建設業に係る

建設工事の完成工事高(積み上げ後)

左に含める完成工事高
(審査対象事業年度)

平成28年4月~平成29年3月

建築一式工事  198,005千円

うち元請    198,005千円

 

(前審査対象事業年度)

平成27年4月~平成28年3月

建築一式工事  211,800千円

うち元請    211,80千円

 

(前々審査対象事業年度)

平成26年4月~平成27年3月

建築一式工事  223,124千円

うち元請    223,124千円

建築一式工事  118,005千円

うち元請    118,005千円

内装工事     80,000千円

うち元請     80,000千円

 

建築一式工事  115,000千円

うち元請    115,000千円

内装工事     96,800千円

うち元請     96,800千円

 

建築一式工事  198,005千円

うち元請    198,005千円

内装工事     25,119千円

うち元請     25,119千円

業種間積み上げ(加算)を利用する際の注意事項

ここでは、「業種間積み上げ(加算)」を利用する際の注意点について確認します。

「完成工事高・元請完成工事高の業種間積み上げ(加算)」は申請者が選ぶことができます。

また、振替元の業種の組み合わせも、振替元の業種から申請者が選べます。

但し、振替元の業種については経営事項審査(経審)の審査対象業種として申請することはできなくなります。

よって、振替元の業種に係る公共工事(振替元の専門工事)について、建築一式工事の許可業者様は元請として参加することはできません(入札参加資格申請もできません)。

更に、注意すべき点として、発注者によっては振替先の業種で経営事項審査(経審)を受けたとみなさないことがあります。

その場合、振替先の業種も公共工事の入札に参加できないことになります。

従って、事前に発注者に、経営事項審査(経審)の完成工事高・元請完成工事高の業種間積み上げ(加算)を認めているか否か確認しておかなければなりません。

また、完成工事高・元請完成工事高の業種間積み上げ(加算)を行う場合、振替先の業種の全ての完成工事高・元請完成工事高を振替先の業種に振替えなければなりません(一部のみの振替はできません)。

そして、今回受ける経営事項審査(経審)の申請の中で、事業年度ごとに振替先の業種を変えることもできません。

その上、振替先の工事に加えて振替元の工事についても、契約内容が確認できる書類(建設工事請負契約書、注文書・注文請書等)の金額上位5件※の提示を必要とします(東京都の場合)。

※国土交通大臣許可の場合は、3件となります。

建築一式工事の経営事項審査上の完成工事高を増やす方法

ここまで建築一式工事の許可業者様の経営事項審査(経審)における完成工事高・元請完成工事高の業種間積み上げ(加算)に着目して、総合評定値(P点)アップの方法を探ってきました。

先ず注意すべきは、振替元・振替先の業種には、経営事項審査(経審)の申請時に建設業許可を必要としていることです。

ただし、振替元の業種については経営事項審査(経審)の申請はできなくなるので、国・地方公共団体等が行う入札参加資格申請もできなくなります。

更に、建築一式工事の許可業者様は、発注者に振替先の業種について経営事項審査(経審)を受けたこととみなされるのか確認しておく必要もあります。

建築一式工事の許可業者様が専門工事の許可をお持ちで、その専門工事の総合評点値(P点)を必要としない場合、発注者に事前に確認の上、完成工事高・元請完成工事高の業種間積み上げ(加算)を検討されてはいかがでしょうか。

現在の完成工事高・元請完成工事高の組み合わせ方を工夫することで、経営事項審査(経審)の総合評点値(P点)を上げることができ、入札参加の機会を増やすことのできる効果的な方法となります。

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