常勤役員等(経管)の重任登記を懈怠、任期の空白を生んだ場合の問題点(東京都の場合)

  • 常勤役員等(経管)である取締役の重任登記を忘れた、どうすればよいの
  • 重任登記を忘れたので常勤役員等(経管)である取締役に空白期間ある、大丈夫かな・・・
  • 常勤役員等(経管)である取締役の重任登記を忘れたら、廃業しないといけないの・・・

東京都の建設業許可をお持ちの建設会社様の中には、役員(取締役)の重任登記をお忘れになっているケースがあります。

特に、株式会社の役員(取締役)の任期を10年に延長されている会社で、任期10年の起算日を勘違いされており、大慌てで役員(取締役)の重任登記をされる方も多いようです。

こういった役員(取締役)の重任登記を忘れておられた建設会社様に、後日少し困ったことが起こってくるケースもあります。

常勤役員等(経管)の役員重任登記を懈怠、役員任期の空白を生んだ場合の問題点

例えば、東京都の建設業許可を取得または維持するには、建設会社様は常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)を置く必要があります。

特に、東京都の場合、建設会社様の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))は常勤の役員(取締役)となります。

専任技術者(専技)については常勤の従業員でもよく常勤の役員(取締役)である必要はありません。

もちろん、専任技術者(専技)についても常勤の役員(取締役)である建設会社様は沢山あります。

では、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))である役員(取締役)の重任登記を忘れてしまっていた場合、建設会社様の建設業許可はどうなってしまうのでしょうか※。

※登記をわすれてしまうことを登記懈怠(とうきけたい)と言います。

弊事務所にご相談のあった建設会社様の中に、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))である役員(取締役)の登記懈怠に気付かれたのですが、その登記の処理を間違われ、建設業許可を失いかけた方がいらっしゃいます。

慌てて役員(取締役)の登記手続をせずに冷静に適正な登記手続をしていただけば良かったのですが、少し混乱されたようです。

本記事では、この東京都の建設会社様の事例をもとに、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))である役員(取締役)の登記を懈怠してしまった際の注意点をご説明したいと思います。

本記事を参考にしていただき、東京都の建設会社様は建設業許可を失うことのないようご注意願います。

登記懈怠で、常勤役員等(経管)の役員任期に空白を生じた東京都の許可業者様

東京都で何年も前に建設業許可を取得され、何度も建設業許可の更新をされている工務店さんがいらっしゃいます。

この東京都の工務店様の役員(取締役)は代表取締役様1名のみで、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))と専任技術者(専技)も兼ねておられます。

また、地元密着の工務店様で大きな事業者様ではなかったため、代表取締役様以外、社内には常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)になれる方はいらっしゃいません。

この工務店様が代表取締役様の役員(取締役)重任登記をうっかりと忘れてしまいます。

役員(取締役)任期が過ぎてから半年ほど経った後、工務店様は代表取締役様の役員(取締役)重任登記を懈怠していたことに気付かれます。

慌てられた工務店様は、役員(取締役)の任期が過ぎてしまった半年前の日付で役員(取締役)の退任登記をしてしまいます。

あわせて、役員(取締役)の登記懈怠に気付かれた日付で改めて役員(取締役)の就任登記をしてしまいます。

その結果、この工務店様の代表取締役様の役員(取締役)としての就任期間に登記簿上半年の空白期間を生んでしまうことになります。

このような場合でも、工務店様は東京都の建設業許可を今まで通り維持することができるのでしょうか。

「えっ、何か問題なの」という建設会社様の声が聴こえてきそうです。

建設会社様は建設業許可の要件をよく思い出してください。

建設業許可の取得や維持のためには、建設会社様の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))や専任技術者(専技)は建設会社様に常勤である必要があります。

しかも東京都の建設業許可では、建設会社様の常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))は常勤の役員(取締役)でなければなりません。

もちろん常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))である常勤の役員(取締役)の就任期間に1日の空白があってもいけません。

この東京都の工務店様の場合、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))の役員(取締役)の登記を忘れてしまい、その後の登記手続で、役員(取締役)の就任期間に半年の空白を生んでいます。

ただ、実態としては、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))である代表取締役は1日も欠けることなく、この工務店様で建設業の経営を行っておられます。

このような登記懈怠のケースでも、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))の許可基準を欠いたとして、工務店様は建設業の廃業しなければならないのでしょうか。

つまり、単純な登記手続のミスであっても、工務店様は一旦東京都に建設業許可の廃業届を提出し、改めて東京都に建設業許可の新規申請を行わないといけないのでしょうか。

だとすれば、工務店様が新たに建設業許可を取得するまでは500万円(建築一式工事では1500万円)以上の建設工事を請け負うことはできず、また新規に許可が下りても昔から守ってきた建設業許可番号も変わってしまいます。

こういった役員(取締役)の登記懈怠の場合、建設会社様に何か救済策はないのでしょうか。

東京都の登記懈怠による役員の空白期間についての運用

東京都の建設業許可の場合、登記懈怠による役員(取締役)の空白期間について、次のような運用をしているようです。

具体的には、東京都では、次の事項を明確に確認できる場合に限って、廃業・新規申請の手続を取らないでもよいとのことです。

  • 空白期間の確定申告書の役員報酬欄に役員として名前の記載のあること
  • 役員報酬がその前後と変わっていないこと
  • 役員全員が同じ日に退任し、役員全員が同じ日に復活していること※

※例えば、3人の役員全員が同じ日に退任し、その3人全員が復活(改めて就任)していなければなりません。3人の役員のうち1人でも欠いていたら、条件を満たしていないことになります。

これら条件を全て満足しているケースでは、空白期間においても常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))が役員(取締役)であったと認められ、従前からの東京都の建設業許可を継続することができます。

ただし、建設業許可の更新申請時には、常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))である役員(取締役)が上記の条件を満たしている旨、確定申告書の役員報酬欄や履歴事項前部証明書で明確に証明しなければなりません。

弊事務所では、このような東京都の建設業許可に関する手続きでお困りの建設会社様からのご相談を積極的にお受けしております。

弊事務所では、東京都の建設業許可申請の関して、建設業者様に代わって、許可要件の確認、申請書の作成、証明書類の収集、提出の代行等一貫サポートを行っております。

東京都の建設業許可でお悩みの建設業者様は、弊事務所までお気軽にお問い合わせください。

行政書士に東京都の建設業許可の新規申請を依頼する場合(ご参考)

行政書士に東京都の建設業許可の新規申請をご依頼される際のご依頼の流れ・行政書士の料金・法定手数料等は、以下の通りとなります。

ご依頼の流れ

東京都の建設業許可の新規申請をご希望される場合のご依頼の流れとなります。

お客さま お電話・メールにて相談(無料)をご予約ください。
行政書士 東京都の建設業許可の新規申請のご相談をいたします。
お客さま 相談内容にご納得の後、業務の正式なお申込み。

料金の目安

行政書士にて、東京都の建設業許可の新規申請をサポート・代行させていただく際の料金目安となります。

許可の種類 許可区分 証明方法 報酬額目安(税抜)
東京都知事許可 一般 国家資格 150,000円~
実務経験 180,000円~
特定 200,000円~

法定手数料・登録免許税など

行政書士の料金目安の外に、東京都の建設業許可を新規取得するために必要となる諸費用となります。

許可の種類 法定手数料 登録免許税 その他の実費
東京都知事許可 90,000円 数千円程度

無料相談のお薦め

弊事務所では初回のご相談を原則的に出張相談でお受けしております。
この初回出張相談は無料となっております。

貴社への出張相談は、初回無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方も、予めお電話・メールでご予約ください)

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