特集:建設会社の作り方

  • 建設会社を設立したいけど、手続がよくわからない
  • 個人事業から法人化して、建設業許可も取得したいと思っている・・・
  • 建設会社を設立すれば、建設業許可の申請はなんとかなるよね・・・

個人事業主の建設業者様が建設業許可を取得される際や、将来のご子息への事業承継をお考えの際に、法人化(建設会社の設立)をご検討されることがあります。

確かに、法人化(建設会社の設立)をご検討されるケースにおいては、建設業者様に会社設立をお急ぎになる事情がある場合も多く、迅速かつ正確な建設会社の設立手続を行う必要があります。

ただ、実際には、建設業者様の作成された書類の内容や手続きに不備があったり、資本金を振り込む時期を間違えたりされることもあり、何度も役所に足を運ぶ羽目に陥るケースもございます。

 

 

建設会社の設立と建設業許可の取得

建設会社の設立後に建設業許可をスムーズに取得するためには、設立手続において、許可取得を考慮した会社設計にしておく必要があります。

建設業許可の取得を考慮せず会社設立した場合、最悪、直ちに建設業許可を取得することができず、再度、様々な変更手続を必要とする場合もあります。

本記事を読んでいただくことで、建設会社設立の流れと建設業許可取得の注意事項を把握していただき、迅速かつ正確に会社設立を行うための基礎知識を得ていただきたいと考えております。

先ずは、会社設立の流れを大きく掴んでください。

株式会社設立の流れ(発起設立)

株式会社設立の流れには、主に次のような決定・確認のステージがあります。

1 商号の調査および目的の適格性の確認(管轄登記所にて)
2 発起人の選定・発起人会の開催・機関決定の確認
3 定款の認証(公証役場にて)
4 発起人による株式の全部引受
5 発起人による払込機関への資本の払い込み
6 発起人による設立時取締役の選任
7 設立時取締役による設立時代表取締役の選定
8 設立時取締役(設立時監査役)の調査
9 株式会社設立登記申請
10 補正の確認
11 設立完了(登記事項証明書・印鑑証明書・印鑑カードの取得)
12 会社設立以後の手続

次段では、各ステージの中で重要となる基本事項について解説していきます。

商号の調査および目的の適格性の確認

商号の選定

商号とは、株式会社における名前や名称のことを言っています。

商号は、基本的に自由に選定することができます。

但し、株式会社の場合には、会社名の中に必ず株式会社という文字を入れる必要があります。

また、商号に使える文字は、漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット・アラビア文字・一定の記号(コンマ・ハイフン・ピリオド・中点・アポストロフィー等)となります。

商号を自由に選定できると言っても、同一住所に同一の商号がある場合、その商号を登記することはできません。

更に、商号を決定する際には、会社法の規定だけではなく、不正競争防止法等の法律の規定にも注意する必要があります。

例えば、「ソニー」「日産」「三菱」等有名な会社の商号を使用すると、同じ商号を持っている会社から商号の使用停止を求められる可能性があります。

加えて、不正競争防止法による損害賠償請求を受けることもあり得ます。

従って、管轄登記所(法務局)での商号調査を確実に行い、同一住所に同一の商号の会社がないか事前に確認しておく必要があります。

商号調査は、本店予定地の管轄法務局に備え付けられている商号調査簿を閲覧することで確認できます。

法務局の中には、商号調査端末を備えているところもあり、その商号調査端末を利用することもできます。

また、法務局での調査に加えて検索エンジンを使用し、選定したい商号と類似した商号の会社がないかを確認する方法もあります

目的の適格性(適法性・営利性・明確性)

事業の目的は、その会社が何をする会社なのかを対外的に示すものです。

会社の目的は、定款に、①会社設立後に直ちに始めようとする事業、②現在興味を持っている事業、③将来行ってみたい事業等を記載します。

直ちに始めようとする事業以外の事業について定款に記載する理由は、会社は、定款に記載された目的の範囲外の事業を行うことが原則できないからです。

従って、定款に記載のない新たな事業を行いたい場合には、後日、定款に目的を追加する必要があり、変更登記手続も必要とします。

機動性のある事業展開のためには、将来の事業についても定款に記載しておくことをお勧めいたします。

更に、会社の目的については、①他人から見て何をする会社かわかるようにする、②法律で規制されている業務は目的とできない、③事業目的の文字は原則として日本の文字しか使用できない等の点についても注意しておきます。

また、目的の最後に「前号に付帯する一切の事業」と記載します。

この「前号に付帯する一切の事業」という記載によって、目的の範囲を広げることができます。

従って、この記載があれば、会社設立後の事業内容に、多少の変化を生じても、定款の目的を変更する必要はありません。

ここで、建設業許可の取得を前提とした会社の事業目的について注意事項を確認します。

建設業許可の取得を前提とした事業目的

建設業許可を取得したい場合、定款の目的に許可を取得する予定の建設業の工事業種を記載しておく必要があります。

ただ、この目的に、単に建設業と記載するだけでは、許可を取得したい工事業種を明確にしていないため、建設業許可を取得することはできません。

では、どのように目的に記載すればよいのでしょうか。

ひとつの方法として、建設業許可を取得したい工事の具体的な工事業種を記載する方法があります。

建設業の工事業種は、全部で29業種ありますが、この中で、許可を取得したい工事業種をそのまま素直に定款に記載します。

例えば、リフォーム工事を施工されている建設業者様の場合、「内装仕上工事業」と記載します。

また、リフォーム工事における「内装仕上工事」には、「管工事業」「塗装工事業」等も付帯することがあります。

それらを考慮し、定款の目的に「管工事業」「塗装工事業」も付け加えて記載しておきます。

また、現在行っている工事業種だけではなく、将来行う可能性のある工事業種についても記載しておくことをお勧めします。

但し、目的に記載しても、その事業を必ず行う必要はありません。

他の方法として、複数の工事業種を請け負っている場合、「建築工事業」「土木工事業」「建築及び土木工事業」等の包括的な記載方法にすることも可能です。

同様に、「土木・建築工事の設計・施工・請負」といった記載方法もあります

これらの記載方法を取ることで、工事業種を何個も事業目的に記載する必要はなくなります。

それどころか、「建築及び土木工事業」等の記載で、建築系・土木系・設備系の全ての工事業種をカバーできます。

発起人の選定・発起人会の開催・機関決定の確認

発起人の印鑑登録証明書

印鑑証明書は、その人が本人であることを確認したり、その手続を行うことが本人の意思によって行われているのかを確認したりするものです。

会社設立において、印鑑証明書は、定款の認証を受けるときや登記を行うときに必要となります。

定款認証の際、公証役場に提出するのは、発起人全員の個人実印の印鑑証明書となります。

尚、個人実印の印鑑証明書は、各市区町村役場で取得できます。

但し、印鑑証明書の有効期限は、発行後3ヶ月以内となっていますので注意してください。

また、会社その他の法人を発起人とする場合、登記事項証明書(登記簿謄本)および代表者の印鑑証明書を必要とします。

資本に関する事項の決定

会社が事業を開始するに際し、事業の元手となる資金のことを資本金と言います。

資本金の額が大きければ大きいほど、当然、会社設立時の資金繰りは良いという評価になります。

資本金の額については、以前は、最低資本金制度があり、株式会社の設立には、最低1,000万円の資本金を必要としていました。

現在では、この最低資本金制度は廃止されており、理論上は、資本金1円でも株式会社を設立できることになっています。

但し、実際に資本金の額を決定するには、①必要となる運転資金、②対外的な信用、③税金等の側面を考慮した上で、決定することになります。

特に、建設業許可を含む営業許可では、許可取得に必要となる要件の中に、資本金等の額を要件とするケースもあり、注意を必要とします。

 

建設業許可における資本金の決め方

建設業許可を受けるための要件の中に、「請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること」というものがあります。

この要件の基準は、一般建設業許可(建設業法第7条第4号)と特定建設業許可(建設業法第15条第3号)で次のように異なります。

<一般建設業許可>

次のいずれかに該当すること

  • 自己資本が500万円以上あること
  • 500万円以上の資金調達能力があること

<特定建設業許可>

次の全ての要件に該当すること

  • 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
  • 流動資産が75%以上であること
  • 資本金が2,000万円以上あること
  • 自己資本が4,000万円以上あること

株式会社設立と同時に、一般建設業許可を取得したい場合、資本金を500万円としておけば、自己資本500万円以上あるという証明になります。

他方で、会社設立時の資本金を500万円未満とした際には、500万円以上の資金調達能力を別途証明しなければなりません。

特定建設業許可においては、財産的基礎又は金銭的信用要件の基準を一つでも満たしていなければ建設業許可を取得できません。

つまり、特定建設業許可を取得したい建設業者様は、資本金を2,000万円以上にしなければ、特定建設業許可を取得できないことになります。

会社設立後に増資の手続で大慌てとならないよう気を付けてください。

本店所在地の決定

本店とは会社の事務所を置く本拠地のことで、営業活動の拠点となります。

また、会社の本店所在地は、会社の住所となります。

本店所在地をどこにするかによって、登記申請先の管轄法務局が決まります。

確かに、持ち家住宅・賃貸住宅・商業事務所(テナント)・レンタルオフィス・バーチャルオフィス等で登記することはできます。

ただ、分譲マンションや賃貸マンションにて登記申請をお考えの際には、予め管理規約・売買契約書・賃貸借契約書等を確認しておいてください。

居住以外の使用目的を禁止されていたり、管理組合の許可を必要としたりするケースがあり、簡単には登記申請できないこともあります。

建設業許可における(本店・支店)営業所

建設業許可の取得を前提とした場合、建設業法上の営業所には厳しい要件を課されています。

例えば、東京都知事許可では、UR都市機構・JKK住宅供給公社・都営住宅の物件については営業所として認められていません。

また、レンタルオフィス・バーチャルオフィスについても営業所として認められません。

加えて、個人住宅を営業所とするには、営業所と居住部分を明確に区分していなければなりません。

本店所在地を安易に考えていると、建設業許可を取得できないばかりか、事務所の再移転等に余計な時間と費用を掛けることになりかねません。

本店所在地の定款での定め方

本店の所在地は、定款で定めておく必要があります。

この定款の定め方には、次の2通りがあります。

  • 「当会社は、本店を東京都千代田区に置く」というように最小行政区画まで示す方法
  • 「当会社は、本店を東京都千代田区神田神保町一丁目1番」というように番地まで示す方法

本店所在地を決定する際、どちらの記載方法を採用するかは自由となっています。

上段の場合には、千代田区内の移転であれば、定款の変更手続を必要としません。

下段の場合には、本店を移転させる度に、定款の変更手続を必要とします。

上段の場合、とても便利に見えますが、会社設立登記の段階では、本店の町名・番地まで決定していなければなりません。

そのため、設立登記前に、発起人会を開催し、具体的な本店所在地を確定しておく必要があります(発起人議事録の準備)。

決算期の確定

会社は、1年毎に会計の区切りをつけています。

その1年間の事業活動の反省を決算と言います。

決算によって会社の事業の変化が明確になり、また、取引先等の利害関係者に経営の実態を知らせることで信用を得ることになります。

但し、煩雑な決算作業の軽減のため、決算を年1回とする会社が多いようです。

この決算期と決算期の間の期間を事業年度と言っています。

従って、決算との関係より事業年度の期間を1年とする会社がほとんどです。

事業年度は1年を超えることはできず、4月1日を事業年度開始とすれば翌年の3月31日が決算日となります。

ところで、事業年度の決定で、注意したいのが税務申告の時期です。

法人の申告期間は決算日より2ヶ月以内と定められています。

その間に、株主総会を開催し、株主から決算の承認を得た上で、税務申告の手続を行います。

そのような面倒な税務申告の手続については、事業の繁忙期や会社設立直後と重ならないようにしたいところです。

例えば、会社設立を1月とした場合、事業年度の末日を12月末とすれば、1期目の決算日まで最長の期間を持つことになります。

これによって、面倒な申告手続を1年後に先送りできるメリットがあります。

また、資本金等の条件もありますが、法人設立後最大2期(最長2年間)の間は消費税の免税を受けられるメリットもあります。

決算期にこだわりのない建設業者様は、設立1期目は最大限先の日にちに設定しておく手もあります。

定款の認証

定款とは、会社の目的・組織・業務等について基本的なルールを定めたものです。

会社の「憲法」と言われることもあります。

従って、どのような会社であっても最初に定款を作成しなければなりません。

定款の作成は、発起人が行います。

では、定款に記載しなければならない内容はどのようなものでしょうか。

定款に記載する内容は、①絶対的記載事項、②相対的記載事項、③任意的記載事項の3つに分けられます。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款に必ず記載しなければならない最も重要な記載事項となります。

絶対記載事項の中で、1項目でも記載されていない場合や記載内容が法律に違反する場合には、定款そのものが無効となってしまいます。

絶対的記載事項の詳細は、次の通りとなっています。

  • 商号
  • 目的
  • 会社が発行する株式総数(会社が発行できる株式の上限)
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 本店の所在地
  • 発起人の氏名および住所

相対的記載事項

相対的記載事項は、絶対的記載事項とは異なり、定款に必ず記載しなければならないというものではありません。

但し、定款に記載しないと、その内容は法律的に効果を生じません。

従って、当てはまる項目がある場合には、定款に必ず記載しなければなりません。

相対的記載事項の詳細は、次の通りです。

  • 発起人が受けるべき特別の利益(変態設立事項)
  • 現物出資(変態設立事項)
  • 財産の引き受け(変態設立事項)
  • 会社が負担すべき設立費用(変態設立事項)
  • 発起人の報酬(変態設立事項)
  • 株主総会、取締役会の招集場所、決議方法
  • 取締役の任期の延長または短縮
  • 取締役の選任についての累積投票の排除
  • 監査役の任期の延長
  • 株式の譲渡制限
  • 株券の発行に関する規定(原則不発行)
  • 議決権の代理権行使の代理人の資格の制限
  • 株主名簿の閉鎖と基準日の設定
  • 利益配当の除訴期間
  • 無記名株式の発行
  • 株主総会、取締役会以外の機関の設置
  • 取締役会の書面決議

◎変態設立事項とは

会社の設立に際し、①発起人が受けるべき特別の利益、②現物出資、③財産の引き受け、④会社が負担すべき設立費用、⑤発起人の報酬のある場合に、これらの事項のことをまとめて変態設立事項と言います。

これらの事項のある場合には必ず定款に記載しなければなりません。

変態設立事項のある場合、発起人のお手盛り防止の観点から、裁判所の検査役の調査を受ける必要もあります。

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款に記載するかしないかは全く会社の自由に任されている記載事項です。

従って、任意的記載事項については、公序良俗に反したり、株主の基本的な権利を侵害したりするような内容でなければ、自由に記載することができます。

また、記載していなくとも、その効力は否定されません。

定款に規定することで、会社の運営を円滑に進ませることができるとお考えの場合に、記載されることが多くなります。

例えば、次のような内容が任意的記載事項に当てはまります。

  • 事業年度(決算期)に関する規定
  • 定時株主総会の開催の時期
  • 株主総会の議長
  • 取締役、監査役の員数
  • 取締役会の組織についての規定
  • 取締役から社長、専務、常務を選出する方法とその権限

このように作成した会社の定款は、公証役場で認証を受ける必要があります。

公証役場で定款認証

株式会社の設立に際し、発起人が最初に作成した定款(原始定款)は、公証人の認証を得る必要があります。

定款認証は、会社の本店所在地を管轄する法務局又は地方法務局の所属公証人が行います。

通常は、会社の本店と同一都道府県にある、最寄りの公証役場の公証人から認証を受けます。

管轄の公証役場の公証人の認証によって初めて、定款は法的な効力を持ちます。

また、公証人役場には、原則として発起人全員が出頭します。

但し、発起人の1人を代表として、他の発起人の代理人として出頭することもできます。

もちろん、全く別の代理人を立てることも可能です。

代表者や代理人を立てる場合には、その旨の委任状を必要とします。

発起人による払込取扱機関への資本金の払込み

定款の認証を受けたら、発起人は、払い込み金額を金融機関に払い込みます。

発起設立では、設立の際に発行する株式はすべて発起人が引き受けなければなりません。

そして、払い込みを証明するために、金融機関から「払込受入証明書」を発行してもらうか、代表取締役が証する「払い込みがあったことを証する書面」を作成してもらう必要があります。

現在では、手続が迅速で簡便な「払い込みがあったことを証する書面」を作成することが多くなります。

発起人による設立時取締役の選任・設立時取締役による設立時代表取締役の選任

株式の払い込みを完了させたら、会社の組織作りに入ります。

定款に取締役・監査役の選任について既に定めている場合、改めて取締役・監査役を選任する必要はありません。

あくまで定款で定めていない場合に、株式の払い込み後に発起人が取締役・監査役を選任します。

◎取締役とは

取締役は、会社の業務執行内容を決定し、執行を行う機関のことです。

取締役会設置会社の場合、取締役会が業務の執行内容を決定し、代表取締役が業務を執行します。

◎監査役とは

監査役は、会計監査を含む業務監査を行う権限を持っています。

定款で取締役・監査役の選任について既に定めている場合、改めて取締役・監査役を選任する必要はありません。

定款に定めていない場合に限り、次の手続を必要とします。

  • 発起人が1名の場合・・・「取締役・監査役専任決定書」を作成

株式の払い込み終了後、決定書によって発起人が取締役・監査役を選任します。

  • 発起人が2名以上の場合・・・株式の払い込み終了後、発起人が集まって発起人会を開催

参加した発起人の過半数の議決をもって、取締役・監査役を決定します。

議事の経過と結果を記載した「発起人会議事録」を作成し、各発起人が記名押印すれば、取締役・監査役が選任されたことになります。

取締役・監査役の就任の承諾については、設立登記申請において、その就任を承諾したことを証明する書面(就任承諾書)を必要とします。

但し、「発起人会議事録」中に「就任を承諾した」旨記載のある場合には、改めて「就任承諾書」を作成する必要はありません。

設立時取締役による設立時代表取締役の選定

定款で設立時の代表取締役を既に選出している場合には、改めて代表取締役を選定する必要はありません。

定款で選出していない場合、取締役会を設置していない会社と取締役会設置会社では選出手続が変わってまいります。

取締役会を設置していない会社は、定款の記載が「株主総会の決議による」となっている場合、発起人の過半数の一致によって代表取締役を選びます。

また、「取締役の互選による」となっていた場合、発起人の過半数による一致で代表取締役を選びます。

というのは、取締役の就任は会社設立後になるため、この段階では会社の設立がすんでおらず、取締役に代表取締役を選ぶ権限がないからです。

これに対し、取締役設置会社の場合は、設立時取締役の決議によって代表取締役を選びます。

代表取締役の選定については、「設立時代表取締役選定決議書」を作成します。

この議事録は2通作成し、1通は会社保存用、もう1通は登記申請書に添付します。

「設立時代表取締役選定決議書」の中に、「被選定者は即時その就任を承諾した」旨の記載がある場合、就任承諾書を作成する必要はありません。

設立時取締役(設立時監査役)の調査

設立時取締役と設立時監査役は、会社設立手続が正しく行われたかどうかを調査し、調査報告書を作成します。

但し、登記申請の際に調査報告を必要とされるのは、現物出資がある場合のみとなります。

従って、現物出資のない場合は、1通作成して、会社保存用とします。

現物出資のある場合には、2通作成し、1通を会社保存用、もう1通を登記申請用とします。

尚、調査のポイントは次の通りとなっています。

  • 『 現物出資、財産引き受けの価額が相当であるか』
  • 『株式の払い込みが終了しているかどうか』
  • 『会社の設立手続が、法令または定款に違反していないか』

取締役・監査役の調査を完了したら、代表取締役は「資本金の額の計上に関する証明書」を作成します。

通常は、設立に際し株式の払い込みをした全金額を資本金として計上します。

但し、資本金及び資本準備金の額として計上すべき額から減ずべき額があるケースもあり、「資本金の額の計上に関する証明書」を作成します。

「資本金の額の計上に関する証明書」は2通作成し、1通は会社保存用、もう1通は登記申請用となります。

株式会社設立登記申請

会社は定款の認証を受けて、管轄法務局に登記申請書を提出し、登記されることで法的に誕生することになります。

つまり、会社は、会社設立の登記を完了しないと、正式に会社として成立し、法人格を取得することはできません。

また、会社を登記することで、法務局(登記所)に備え付けられているコンピュータに、会社の商号・目的等の登記事項が登録され、登記事項証明書を手にすることができます。

登記申請は、設立時の代表取締役が会社を設立しようとする市区町村の管轄登記所で行うことになります。

登記申請は、定められた書式(申請書・添付書類)により行う必要があります(除、オンライン申請)。

更に、登記申請は、本店所在地において、取締役・監査役の調査を終了日の翌日から2週間以内に行う必要があります。

この期限内に申請しない場合、100万円以下の過料を科される可能性があります。

全ての株式会社において必ず登記しなければならない事項

  •  商号
  • 本店及び支店の所在地
  • 目的
  • 資本金の額
  • 発行可能株式総数
  • 発行済株式の総数並びにその種類及び数
  • 取締役の氏名
  • 代表取締役の氏名及び住所
  • 公告方法についての定め

登記申請の際に必要な書類

  • 登記申請書
  • 別紙
  • 登録免許税納付用台紙
  • 定款
  • 印鑑届出書
  • 払い込みがあったことを証する書面(代表取締役の証明)
  • 資本金の計上に関する証明書
  • 発起人会議事録(本店所在地決定書)(本店所在地を定款で定めていない場合)
  • 設立時代表取締役決議書(設立時代表取締役を定款で選定していない場合)
  • 就任承諾書
  • 個人の印鑑証明書(取締役会設置会社:代表取締役、取締役会非設置会社:設立時取締役全員)
  • 取締役・監査役の調査報告書(現物出資のある場合)
  • 財産引継書(現物出資のある場合)

尚、法務局に申請書類を提出した日が、会社の設立日となります。

登記が完了して、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得できるようになるには少し時間が掛かります。

参考までに、申請書類に不備がなく補正等を求められなかった場合には、概ね10日程度で登記が完了するとお考えください。

設立完了(登記完了)

登記が完了したら、登記事項証明書と印鑑証明書を取得します。

会社が登記事項証明書に記載されていれば、正式に会社(法人格取得)として認められたことを意味しています。

登記事項証明書(登記簿謄本)

会社の登記事項証明書(登記簿謄本)とは、登記簿の原本全てをコピーしたものに、登記所の登記官が証明分を記入した書類のことを言います。

会社の成立を登記事項証明書で確認しましょう。

登記事項証明書は、今後いろいろな手続で使用することになります。

印鑑証明書

登記事項証明書と同様に印鑑証明書も、様々な手続で使用することになります。

尚、コンピュータ化された登記所では、印鑑証明書交付申請をする前に、印鑑カード交付申請を行う必要があります。

印鑑カードを作成した後で、印鑑カードを印鑑証明書交付申請書に添付し、登記所に提出します。

印鑑カードを作成することで、今後は、簡単に印鑑証明書を取得できます。

会社設立後の手続

会社の設立登記が完了したら、事業開始後の運営に備えて官公署への届出を必要とします。

必要となる届出には、大きく、①税務署等への届出、②労働保険の加入、③社会保険の加入があります。

そして、建設業許可のような営業許可についても、会社設立後の手続となります。

 株式会社の設立に掛かる費用と建設業許可の取得にかかる費用

株式会社の設立に掛かる費用(実費)

株式会社の設立に掛かる実費として、定款認証手数料・定款印紙代・登録免許税があります。

この費用については、ご自身で株式会社の設立手続を全ておやりになっても、必ず掛かる費用となっております。

   実 費        金 額
  定款認証手数料   52,000円
  定款印紙代   40,000円(電子定款の場合は不要)
  登録免許税  150,000円(最低)
         合 計  242,000円

建設業許可の取得に掛かる費用(実費)

建設業許可の取得に掛かる実費として、登録免許税・手数料がございます。

この費用については、ご自身で建設業許可の取得手続を全ておやりになられても、必要となる費用となっています。

  項 目     実 費   金 額
 国土交通大臣許可  登録免許税  150,000円
 都道府県知事許可  手数料    90,000円

建設会社の設立と同時に、建設業許可を取得する際の注意事項

ここまでで、念願の建設会社を設立できました。

ただ、ここで安心してはいけません。

会社を設立して、建設業許可を取得しないといけません。

次の段では、建設業許可を取得する上で、最も重要となる二つの要件についてご説明いたします。

この二つの要件をクリアーすることができれば、建設業許可の取得は、ぐっと近づいたものとなります。

建設業許可の最も重要な二つの要件(経営業務の管理を適正に行う能力と専任技術者)

  • 経営業務の管理を適正に行う能力を備えていること
  • 専任技術者を営業所に常勤で置くこと

経営業務の管理を適正に行う能力

建設業許可を取得しようとする建設業者様は、主たる営業所に「経営業務の管理責任者(経管)」を置くこと、または建設業に関する「経営体制(常勤役員等と常勤役員を直接に補佐する者」を置く必要があります。

設立したばかりの建設会社様の大多数は、経営業務の管理責任者(経管)を置くことになります。

但し、この経営業務の管理責任者(経管)には誰でもなれるわけではありません。

例えば、株式会社の場合、自社の常勤の役員(取締役)が候補者になります。

但し、この役員(取締役)は、建設業に関して、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者でないといけません。

もちろん、他社の経営業務の管理責任者(経管)と兼任することもできません。

専任技術者(専技)

建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者(経管)だけではなく、専任技術者(専技)を営業所毎に常勤で置く必要があります。

この専任技術者(専技)についても誰でもなれるわけではありません。

許可を受けようとする建設業に係る建設工事について、必要な年数以上の実務経験を有していたり、国家資格を有していたりする技術者がこれに当たります。

建設業許可を取得しようとするのであれば、許可を受けようとする建設業に係る建設工事について、専門知識と技術を有する者を必要とするということです。

但し、専任技術者(専技)については、経営業務の管理責任者(経管)と異なり、役員(取締役)である必要はなく、従業員の中から選ぶことも可能です。

その他の要件

  • 請負契約に関して誠実性を有していること
  • 請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  • 欠格要件等に該当しないこと
  • 適正な社会保険に加入していること

その他に建設業許可をうけるための要件として、①請負契約に関して誠実性を有していること、②請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していること、③欠格要件等に該当しないこと、④適正な社会保険に加入していることを挙げることができます。

これらの要件の基準を一つでも満たすことができない場合には、建設業許可を取得できません。

建設会社作り方(まとめ)

ここまで、建設会社設立の流れと建設業許可取得の注意事項についてご説明してきました。

株式会社の設立を完了してから、建設業許可の申請となりますが、株式会社の設立手続を進めながら建設業許可の申請についても準備していくことが大切です。

その際には、本記事で説明した注意事項を考慮の上、必要な手続を進めていただきたいと思います。

それでも、やはり手続が不安であるとか、手続の準備に時間を割くことができないという建設業者様は、弊事務所までお気軽にご相談ください。

弊事務所では、建設会社の設立から、建設業許可の取得まで、建設業者様に係る諸手続についてサポートしております(登記は司法書士にて対応)。

※株式会社の設立方法には、厳密には、「発起設立」と「募集設立」があります。

「発起設立」とは、会社設立の際に発行される株式の全てを発起人が引き受ける設立方式です。

「募集設立」とは、発起人以外の者に株式の一部を引き受けてもらう設立方式のことです。

尚、発起人1人でも会社を設立できます。

本記事では、建設会社設立において、より一般的な「発起設立」を前提にポイントをご説明させていただいております。

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