- 請負代金が500万円以上の工事は、建設業許可を必要とするの
- 住宅建築工事では、建築一式工事の許可を必要とするの・・・
- 木造住宅工事であれば、建築一式工事の許可を取得しなくとも良いの・・・
- 木造平屋の工事だと、建築一式工事の許可はいらないよね・・・
建設業法第3条は、建設業を営もうとする者に対し、建設業許可を取得する必要がある場合や建設業許可の内容について、基本的な事項を規定しています。
この規定の中には、建設工事でありながら、建設業許可を取得しなくとも、請け負うことのできる建設工事についても定められています。
建設業許可を受けなくとも良い工事は、軽微な建設工事とされており、詳細は建設業法施行令(政令)第1条の2に規定されています。
では、建設業法施行令(政令)第1条の2は、軽微な建設工事をどのように定めているのでしょうか。
また、建築一式工事や木造住宅工事についても、触れられているのでしょうか。
建築一式工事の建設業許可を必要としない木造住宅工事
建設業許可を受けなくともできる工事の基準
建設業の工事業種は、全部で29業種あります。
軽微な建設工事の基準は、29工事業種のうち建築一式工事と建築一式工事以外の建設工事の大きく二つに分けられています。
初めに、建築一式工事以外の建設工事について、許可を受けなくてもできる工事(軽微な建設工事)の内容を確認してみましょう。
建築一式工事以外の建設工事については、「1件の請負代金が500万円未満の工事(含む、消費税)の場合」、建設業許可を取得する必要はありません。
次に、建築一式工事について、許可を受けなくともできる工事(軽微な建設工事)の内容を確認してみます。
建築一式工事の建設業許可を必要としない軽微な建設工事の基準
建築一式工事については、二つの基準に分けられています。
一つ目は、「1件の請負代金が1,500万円未満の工事(含む、消費税)の場合」、建築一式工事を取得する必要はありません。
二つ目は、「請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事の場合」、建築一式工事を取得する必要はありません。
木造住宅の「木造」とは、建築基準法第2条第5号に定められている主要構造部が木造であるものを言っています。
ちなみに、建築基準法第2条第5号は、「壁(除く、間仕切り壁)・柱(除く、間柱)・床(除く、最下階の床)・はり(除く、小ばり)・屋根(除く、ひさし)・階段(除く、屋外階段)」を主要構造部としています。
従って、木造住宅とされるには、「壁(除く、間仕切り壁)・柱(除く、間柱)・床(除く、最下階の床)・はり(除く、小ばり)・屋根(除く、ひさし)・階段(除く、屋外階段)」が木造でなければなりません。
また、木造住宅の「住宅」とは、「住宅・共同住宅・店舗併用住宅で延べ面積の二分の一以上を居住の用に供するもの」とされています。
従って、木造住宅であっても、店舗等の商用に使う延べ面積が二分の一以上あった場合、「住宅」とされず、建築一式工事の建設業許可を必要とします。
ここで、一つ目の基準である「1件の請負代金が1,500万円未満の工事(含、消費税)」と二つ目の基準である「請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事」との関係について確認します。
この軽微な建設工事の基準については、いずれか一方の基準を満たしておれば軽微な建設工事に該当するとされています。
従って、請負金額1,500万円を超える建築一式工事でも、延べ面積が150㎡未満の木造住宅の工事であれば、建築一式工事の許可を取得する必要はありません。
正に、この工事こそが、建築一式工事の建設業許可を必要としない木造住宅工事なのです。
尚、建設業許可を受けなくともできる工事に該当するかを判断する際は、注文者が材料を提供し、請負代金の額に材料の価格が含まれていない場合、材料の市場価格と運送費を請負契約の請負代金の額に加えて判断されます。
また、工事の完成を二以上の契約に分割して請け負う場合、各契約の請負代金の額の合計金額をもって判断されます。
では、ご相談の事例について、建築一式工事の建設業許可を必要とするのか一緒に考えてみましょう。
事例:軽微な建設工事に当たる木造住宅工事
『現在、東京都内で、大工をやっています。普段は、地元公務店さんの下請で木工事の仕事をしていますが、現在、知人の建築士より小さな木造住宅の建築の話がきています。私がこの工事の元請となり、仲間の職人等を使って木造住宅を完成できればと考えています。この木造住宅の工事費は材料費込みで、2、500万円(含む、消費税)です。延べ面積も110㎡程度です。この場合でも、やはり建築一式工事の建設業許可を取得しないと工事を請け負えないのでしょうか』
事例の内容をひとつずつ確認していきます。
先ず、住宅建築を請け負う場合、一般的には、建築一式工事の建設業許可を取得しなければならない可能性が高いと言えます。
但し、このケースは木造住宅なので、許可取得の基準は、請負代金の額ではなく、延べ面積となります。
具体的には、木造住宅の場合、延べ面積が150㎡未満であれば、建築一式工事の建設業許可を必要としません。
この事例では、延べ面積が110㎡なので、建築一式工事の建設業許可は不要ということになります。
これで終わりではありません。
この木造住宅は、住宅専門なのか店舗等の商用併用住宅なのかを確認しておく必要もあります。
木造住宅であっても、延べ面積の二分の一以上を店舗等に使用する場合、建築一式工事の建設業許可を取得する必要があります。
自宅で商売をされる方も増えていますので、注意を必要とします。
建築一式工事の建設業許可を必要としない木造住宅工事(まとめ)
ここまで、建築一式工事の許可を必要としない木造住宅工事について、軽微な建設工事の基準に基づいてご説明してまいりました。
建築工事の内容、金額、延べ面積によっては、建築一式工事の許可を取得していなくとも請け負える建設工事があることを理解いただけたと思います。
特に、木造住宅については、延べ面積が重要な基準になっています。
<軽微な建設工事>
建築一式工事以外の建設工事 | ・1件の請負代金が500万円(含む、消費税)未満の工事 |
建築一式工事で右のいずれかに該当するもの | ・1件の請負代金が1,500万円(含む、消費税)未満の工事
・請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事 (主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの) |
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料金の目安
行政書士にて、建築一式工事の建設業許可の申請をサポート・代行させていただく際の料金目安となります。
許可の種類 | 許可区分 | 証明方法 | 報酬額目安(税抜) |
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知事許可 | 一般 | 国家資格 | 150,000円~ |
実務経験 | 180,000円~ | ||
特定 | 200,000円~ | ||
大臣許可 | 一般・特定 | 250,000円~ |
法定手数料・登録免許税など
行政書士の目安料金の外、建築一式工事の建設業許可を取得するために必要となる諸費用となります。
許可の種類 | 法定手数料 | 登録免許税 | その他の実費 |
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知事許可 | 90,000円 | - | 数千円程度 |
大臣許可 | - | 150,000円 | 数千円程度 |
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