- 通常の経営事項審査と特殊な経営事項審査って何が違うの
- 組織再編した場合、必ず特殊な経営事項審査を受けないといけないの・・・
- 特殊な経営事項審査に必要となる書類も何か特別なの・・・
国や地方公共団体等が発注する公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者様は、経営事項審査(経審)を受ける必要があります。
その際、通常の経営事項審査(経審)は建設業者様の決算終了後に、その決算日を基準日として申請を行うことになっています。
特殊な経営事項審査(特殊経審)
ところで、建設業者様の中には、会社合併や会社分割等の組織再編を実施されることで事業規模の拡大や収益の改善を計られることがございます。
そのような建設業者様にとっては、組織再編の日から最初の決算まで、新しい会社の実態に即した評価を得ることができないのは、じれったいことと思います。
従って、組織再編を行われた建設業者様の多くは、新しい会社の実態に対する評価を得るために、組織再編の日から最初の決算を待たずに、経営事項審査(経審)を受けたいと希望されています。
このような会社合併や会社分割等の組織編成を契機に受ける経営事項審査(経審)のことを「特殊な経営事項審査」、通称、「特殊経審」と言っています。
この特殊な経営事項審査(特殊経審)では、会社合併や会社分割等を行った期日または会社合併や会社分割等の登記日を基準日として特殊経審を受けられます。
特殊経審のメリットと注意点
特殊な経営事項審査(特殊経審)を受けることで、消滅会社や分割会社の「完成工事高」「元請完成工事高」「利益額」「自己資本額」等を存続会社や承継会社に加えることができます。
そのため、特殊な経営事項審査(特殊経審)を受けた結果、その評価点を大きく向上させる建設業者様もいらっしゃいます。
特殊な経営事項審査(特殊経審)については、会社合併や会社分割等の組織再編後の申請を義務としている行政庁と任意としている行政庁があるので注意を必要とします。
更に、会社合併や会社分割等の組織再編の対象となる各建設業者様の決算期や、組織再編の日(合併期日や分割期日等)によって、その判断も異なっています。
従って、特殊な経営事項審査(特殊経審)の受審については、審査行政庁への事前確認を必要とします。
特殊経審の対象となる組織再編
特殊な経営事項審査(特殊経審)の対象となる組織再編は、次のようなケースに分類されています。
- 会社合併(吸収合併・新設合併)
- 会社分割(吸収分割・新設分割)
- 事業譲渡
- 事業承継(法人成り)
- 決算期変更
特殊経審の申請手順
◎先ずは、特殊な経営事項審査(特殊経審)について、審査行政庁に事前相談を行います。
※特殊な経営事項審査(特殊経審)の相談日程については、電話予約としている行政庁もあります。
審査行政庁の事前相談の際、ご準備いただく書類は次の通りとなります。
<必要書類>
- 合併等の事実が確認できる書類
- 関係する全会社の建設業許可通知書
- 決算日が確認できる書類
※建設業許可の工事業種毎に特殊な経営事項審査(特殊経審)を受ける、受けないかを選択することはできません。
※特殊な経営事項審査(特殊経審)を受ける場合、全ての工事業種について申請する必要があります。
◎次に、特殊な経営事項審査(特殊経審)を受ける建設業者様は、会社の修正財務諸表や精算書等を作成しなければなりません。
※審査基準日によって、修正財務諸表や精算書の作成方法が異なりますので注意を必要とします。
修正財務諸表とは、会社合併や会社分割等の組織再編の事例に応じて修正等を行った財務諸表を言います。
◎任意の登録経営状況分析機関に経営状況分析申請を申請します。
※経営状況分析申請に必要となる書類については、登録経営状況分析機関に確認する必要があります。
◎あわせて審査行政庁による事前確認を受けなければなりません。
<確認事項と確認書類>
- 修正財務諸表と工事請負契約書の関係を確認(修正財務諸表・工事経歴書・工事請負契約書、注文書等)
- 組織再編を行う前後の建設業許可(建設業許可申請書(各社)・許可通知書(許可証明書))
- 技術職員を確認(技術職員名簿・合格者証(写)・職員の常勤資料)
- 建設業経理事務士を確認(合格証(写))
◎登録経営状況分析機関から経営状況分析結果通知書を受領します。
◎審査行政庁から経審事前確認用紙を受領します。
◎特殊な経営事項審査(特殊経審)本審査を受けます(申請・受付)。
◎経営規模等評価結果通知書、総合評定値結果通知書を受領します。
組織再編に伴う特殊経審に必要となる書類(まとめ)
合併等の組織再編の際に申請する特殊な経営事項審査(特殊経審)について、必要となる書類の代表例(東京都知事許可の事例)をまとめとして挙げさせていただきます。
特殊な経営事項審査(特殊経審)については、審査行政庁との事前相談と事前確認を踏まえた上で、間違いのない各種書類を準備する必要があります。
<提出書類>
書 類 名 | 注 意 事 項 |
経営事項審査確認書 | 1部(知事許可) |
経営規模等評価申請書、総合評定値請求書 | 2部(正本、副本-正本の写) |
工事種類別完成工事高・工事種類別元請完成工事高 | 2部(正本、副本-正本の写) |
その他の審査項目 | 2部(正本、副本-正本の写) |
技術職員名簿 | 2部(正本、副本-正本の写) |
技術職員名簿に記載した技術者の合格証書・免状・監理技術者証・講習修了証 | 1部(写) |
経営状況分析結果通知書 | 原本提出 |
修正財務諸表等事前確認時に提出した、原本以外のもの | 返却された場合 |
<事前確認時の提示書類>
書 類 名 | 注 意 事 項 |
合併等組織再編の契約書(写) | |
修正財務諸表(2期分)及び修正財務諸表が適正である公認会計士又は税理士の証明(写)(「直前3年の各事業年度における工事施工全額」を含む) | 登録経営状況分析機関に送付した書類
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精算書及び精算書が適正である公認会計士又は税理士の証明(写)
|
会社間の取引分は相殺
完成工事高が3年平均→36ヶ月 完成工事高が2年平均→24ヶ月 |
消費税確定申告書(原本) | |
工事請負契約書等(写) | 審査を受ける建設業の種類ごとに工事経歴書上位5件 |
技術職員等の常勤性の証明(原本) | 審査基準日現在 |
技術者の資格検定合格証等(写) | 審査基準日現在 |
前回の経営事項審査申請書(副本) | 消滅会社等が受審している場合 |
<審査日の提示書類>
書 類 名 | 注 意 事 項 |
建設業許可通知書又は許可証明書(原本) | 経営事項審査を申請する会社 |
建設業許可申請書(副本) | 合併等組織再編時点のもの |
前回の経営事項審査申請書類(副本) | |
前回の経営事項審査結果通知書(原本) | |
変更届出書(副本) | 合併等組織再編時点から申請日にかけて有効なもの |
社会性等の証明 | 審査基準日現在 |
事前確認時に指示された書類一式 | 指示された場合 |
特殊経審事前確認票 | 建設業課指導担当が交付した場合 |
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