建設業許可の解体工事の考え方(東京都の場合)

  • 解体工事業の建設業許可を取ると、どんな解体でも請け負えるの
  • 電柱の解体には、電気工事業の建設業許可がいるって本当・・・
  • 東京都では、解体工事業の建設業許可に当たるのは一棟解体だけなの・・・

平成28年6月の建設業法の改正によって、建設業許可の工事業種として新たに「解体工事業」が設けられています。

もっとも、この建設業許可の「解体工事業」の内容については、少しわかりにくく、建設業者様の中にも誤解されている方も多くいらっしゃいます。

本記事では、「解体工事業」の建設業許可を必要とする解体についての東京都の考え方をご説明させていただきます。

また、合わせて建設業者様の誤解の多い部分的な解体についての東京都の考え方もご説明させて頂きます。

建設業許可の解体工事の考え方(東京都の場合)

実は、建設業法の改正によって、「解体工事業」の建設業許可を必要とする工事は、東京都の解釈では、いわゆる一棟解体となっています。

つまり、東京都の解釈では、一棟解体以外の部分的な解体については、原則として「解体工事業」の解体とはなりません。

従って、建設業法の改正前から解体工事に携われていた建設業者様は少し戸惑われることと思います。

では、一棟解体以外の部分的な解体を請け負うには、どのような建設業許可を必要とするのでしょうか。

部分的な解体は、どんな建設業で施工できるの(東京都の場合)

実は、一棟解体以外の部分的な解体は、その対象物を建設する際に、どのような工事業種の建設業許可を必要としていたかで判断されることになっています。

具体的な建設物の解体を考えた方がわかりやすいので、少し例を挙げてみます。

例えば、通信用アンテナは「電気通信工事業」で設置しているので、通信用アンテナの解体は「電気通信工事業」を必要とします。

同じように、信号機は「電気工事業」で設置しているので、信号機の解体は「電気工事業」を必要としています。

あれ、以前は「とび・土工工事業」で施工していた解体であったのに、この例では「とび・土工工事業」は出てきません。

更に、少し困ってしまう解体があります。

それは内装解体です。

内装解体も、建設業法の改正前は解体工事の一種として、「とび・土工工事業」に分類されていた解体です。

しかし、一棟解体以外の部分的な解体については、現在では、その対象物を建設する際に必要であった工事業種の解体として施工することになっています。

これに内装解体を当てはめて考えてみます。

すると、例えば、クロスや床をはがすだけの解体の場合、その解体は「とび・土工工事業」ではなく「内装仕上工事業」の建設業許可を必要とします。

ただし、コンクリートはつりを伴う解体の場合には、今度は「内装仕上工事業」ではなく「とび・土工工事業」の建設業許可を必要とします。

建設業者様の中には、違和感をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、これが東京都の解体工事の考え方となっています。

建設業許可の解体工事の考え方(東京都の場合)(まとめ)

ここまで、「解体工事業」の建設業許可を必要とする解体についての東京都の考え方をご説明してきました。

合わせて建設業者様の誤解の多い部分的な解体についての東京都の考え方もご説明しております。

東京都の解釈では、「解体工事業」の建設業許可を取得しても、その許可で請け負える解体は部分的な解体ではなく一棟解体となっています。

従って、建設業法の改正まで「とび・土工工事業」の建設業許可で施工してきた解体については、たとえ、「解体工事業」の建設業許可を取得しても施工できないことになっています。

各専門工事で作ったものの解体については、各専門工事の建設業許可を必要としているのです。

<解体を伴う新設>

各専門工事で作ったもの

例:信号機を解体して同じものを作る。

土木一式工事・建築一式工事で作ったもの

例:一戸建て住宅を解体して新築住宅を作る。

平成28年5月31日以前 各専門工事で施工

例:電気工事業

土木一式工事・建築一式工事で施工

例:建築一式工事業

平成28年6月1日以降 各専門工事で施工

例:電気工事業

土木一式工事・建築一式工事で施工

例:建築一式工事業

<解体のみ>

各専門工事で作ったもの

例:信号機を解体して更地にする。

土木一式工事・建築一式工事で作ったもの

例:一戸建て住宅を壊して更地にする。

平成28年5月31日以以前 とび・土工工事で施工 とび・土工工事で施工
平成28年6月1日以降 各専門工事で施工

例:電気工事業

解体工事で施工

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