- 技術職員名簿の技術者の年齢が75歳以上になったら、準備する裏付資料も変わるって本当なの
- 75歳以上の技術者(後期高齢者)を技術職員名簿に記載した、常勤性の裏付資料はどうなるの・・・
- 75歳以上の技術者(後期高齢者)を技術職員名簿に記載した、6か月を超える恒常的な雇用関係の裏付資料はどうなるの・・・
東京都の経営事項審査(経審)では、経営事項審査(経審)を受審する工事業種について、建設業者様に所属する技術者の人数によって点数を加算されることになっています。
経営事項審査(経審)の点数の加算を希望される建設業者様は、審査基準日現在の経営事項審査(経審)を受審する工事業種の技術職員について、技術職員名簿に記載することになります。
技術職員名簿には、技術者の氏名・生年月日・審査基準日現在の満年齢・業種コード・有資格区分コード・講習受講の有無・監理技術者資格者証交付番号・CPD単位取得数等の情報を記載します。
技術職員名簿に記載の技術者の常勤性と6か月を超える恒常的な雇用関係の裏付資料
注意すべき点は、技術職員名簿に記載する技術者は、審査基準日時点で、建設業者様の常勤の技術者でなければならない点です。
どれだけ優秀な技術者であっても、また、経営事項審査(経審)を受審する工事業種に対する国家資格を有する技術者であっても、恒常的な雇用関係がある者とされない技術者については技術職員名簿に記載することはできません。
更に、たとえ審査基準日時点で常勤の技術者であったとしても、審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のある技術者でなければ技術職員名簿に記載することはできません。
- 審査基準日時点で建設業者様の常勤の技術者
- 審査基準日以前に建設業者様と6か月を超える恒常的な雇用関係のある技術者
それでは、これら二つの条件をクリアーした技術職員名簿に記載できる技術者について、「審査基準日現在建設業者に常勤していることの裏付資料」や「審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のあることの裏付資料」はどのような資料を用意すれば良いのでしょうか。
審査基準日現在建設業者様に常勤していることの裏付資料
技術職員名簿に記載する技術者について、審査基準日現在において建設業者様に常勤していることの裏付資料は、法人の場合、一般的には「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」の写を準備することになります。
<審査基準日現在建設業者様に常勤していることの裏付資料>
- 「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」の写
審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のあることの裏付資料
審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のあることの裏付資料も、一般的には「前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿」と「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」(前年度分)の写を準備します。
<審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のあることの裏付資料>
- 前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿
- 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」(前年度分)の写
「前年度の経営事項審査(経審)を受審していない場合」と「前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿に記載されていない技術者のいる場合」に当たる場合は、後者の「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」(前年度分)の写を必要としています。
「何をわかりきったことを」という建設業者様の声も聴こえてきそうです。
それでは、技術職員名簿に75歳以上の年齢の技術者を記載する場合には、どのような裏付資料を必要とするのでしょうか。
75歳以上の技術者(後期高齢者)を技術職員名簿に記載、常勤性と6か月を超える恒常的な雇用関係の裏付資料
お気づきの建設業者様もいらっしゃることでしょう。
75歳以上の方は後期高齢者になります。
後期高齢者の方は、完全に「健康保険」の制度外の方となります。
当然、建設業者様に所属されている75歳以上の技術者についても、後期高齢者となるため「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」にはお名前は載っていないことになります。
それでは、どのような裏付資料を用意すれば、75歳以上の技術者(後期高齢者)についても建設業者様における審査基準日現在の常勤性や審査基準日以前の6か月を超える恒常的な雇用関係を証明できるのでしょうか。
審査基準日現在建設業者様に常勤していることの裏付資料
先ず、審査基準日現在の常勤性の裏付資料として、技術職員名簿に記載する75歳以上の技術者の後期高齢者被保険者証の写を用意します。
建設業者様は、75歳以上の技術者の後期高齢者被保険者証の写に加えて、住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)の写も用意することになります。
<審査基準日現在建設業者様に常勤していることの裏付資料>
- 後期高齢者被保険者証の写
- 住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)の写
※東京都の場合、用意した住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)の住民税の額「0」のケースにおいては、他の裏付資料の準備も必要となります。
例えば、東京都では、源泉徴収簿等によって、技術職員名簿に記載する75歳以上の技術者(後期高齢者)についての月額給与等を確認されます。
東京都の経営事項審査(経審)の審査上では、技術職員名簿の記載する75歳以上の技術者(後期高齢者)の月額給与について10万円以上ない場合、審査基準日現在の建設業者様への常勤は認められないことになっています。
※東京都の場合、住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)の写の他にも裏付資料として認められる資料もあります。
例えば、厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届のある場合には、厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届の写を提示することでも良いとされています。
<厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届のある場合>
- 厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届の写
審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のあることの裏付資料
次に、75歳以上の技術者(後期高齢者)について、審査基準日以前の6か月を超える建設業者様における恒常的な雇用関係の裏付資料はどんな資料になるのでしょうか。
75歳以上の技術者(後期高齢者)が「前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿」に記載されていた場合は、「前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿」の写を用意することになります。
<審査基準日以前に6か月を超える恒常的な雇用関係のあることの裏付資料>
- 前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿」の写
※75歳以上の技術者(後期高齢者)が「前審査基準日の経営事項審査申請書(副本)の技術職員名簿」に記載されていなかった場合、住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)(前年度分)の写を用意します。
※75歳以上の技術者(後期高齢者)が前年度には後期高齢者になっていない場合は、住民税特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)(前年度分)の写か厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎届(前年度分)の写を提示することになります。
75歳以上の技術者(後期高齢者)を技術職員名簿に記載、常勤性と恒常的な雇用関係の裏付資料(東京都の場合)(まとめ)
東京都の建設業者の皆様、技術職員名簿に記載する75歳以上の技術者(後期高齢者)の審査基準日現在の常勤性や審査基準日以前の6か月を超える恒常的な雇用関係の裏付資料について、おわかりいただけたでしょうか。
建設業者様の技術職員名簿に記載する技術者の中に75歳以上の技術者(後期高齢者)がいらっしゃったとしても、もう、あわてることはありません。
本記事を参考に、75歳以上の技術者(後期高齢者)の審査基準日現在の常勤性や審査基準日以前の6か月を超える恒常的な雇用関係の裏付資料を準備の上、落ち着いて、東京都の経営事項審査(経審)に挑んでください。
弊事務所では、建設業の営業や現場の管理や施工でご多忙の建設業者様に代わって、東京都の経営事項審査(経審)について申請代行を行っております。
経営事項審査(経審)の前提となる決算変更届や経営状況分析申請を含む経営事項審査(経審)の手続を一気通貫に積極サポートしております。
東京都の経営事項審査(経審)でお困りやお悩みの建設業者様は、お気軽に弊事務所までご相談願います。