- 専任技術者の実務経験って、よくわからない
- 現場管理技術者の経験がないと、専任技術者になれないの・・・
- 施工現場に関係する経験があれば、誰でも専任技術者になれるよね・・・
新たに建設業許可を取得するためには、建設業許可の要件や基準を全て満足させる必要があります。
例えば、建設業許可の要件や基準の主なものとしては、次のようなものを挙げられます。
- 「経営業務の管理を適切に行うに足りる能力(常勤役員等(経営業務の管理責任者(経管))・常勤役員等と常勤役員の直直接補佐者」に関する要件
- 「専任技術者(専技)」に関する要件
- 「請負契約に関する誠実性」に関する要件
- 「財産的基礎等」に関する要件
- 「欠格要件」に関する要件
- 「社会保険への加入」に関する要件
これら建設業許可の要件や基準には難しい言葉やわからない用語も入っています。
そのため、弊事務所にて建設業者様よりお受けするご相談の中で多いものの一つとして、専任技術者(専技)に関わるご相談があります。
確かに、専任技術者(専技)は、建設業許可を新規取得するための大きな難関のひとつです。
従って、弊事務所にてお受けする建設業者様からのご相談として、専任技術者(専技)に関わる相談が多くなるのは当然のことと言えます。
本記事では、弊事務所で建設業者様からお受けする専任技術者(専技)に関するご相談の内容を踏まえて、専任技術者(専技)の実務経験について基本事項をご説明していきます。
専任技術者の実務経験証明ってなに
建設業許可の新規取得に必要となる専任技術者(専技)に当てはまる技術者は、概ね大きく次の2通りの技術者がいらっしゃいます。
- 建設業許可を新規取得したい工事業種に該当する国家資格をお持ちの技術者
- 建設業許可を新規取得したい工事業種に該当する一定期間の実務経験をお持ちの技術者
本記事では、建設業許可を新規取得したい工事業種に該当する専任技術者(専技)の実務経験についてご説明します。
どんな仕事が専任技術者の実務経験にあたるの
実務経験とは、建設業許可を受けようとする建設工事の施工に関する技術上の経験のことを言っています。
具体的には、建設業許可を受けようとする建設工事の施工を指揮、監督した経験を言います。
また、建設業許可を受けようとする建設工事について実際の施工に携わった経験も含まれます。
その他に、建設工事を請けった請負人の立場における経験でなくとも、専任技術者(専技)の実務経験と認められるケースもあります。
例えば、建設工事の注文者側での設計に従事した経験や注文者側での現場監督技術者としての経験を専任技術者(専技)の実務経験とできるケースです。
<専任技術者の実務経験に該当する経験>
- 建設工事の現場管理技術者として監督に従事した経験
- 建設機械の操作等によって実際に建設工事の施工に携わった経験
- 建設技術を習得するためにした見習い中の技術的経験
- 建設工事の発注にあたり(注文者側)設計技術者として設計に従事した経験
- 建設工事の注文者側における現場監督技術者としての経験
ただし、建設工事の発注者側における設計技術者として設計に従事した経験については、注意すべき点があります。
というのも建設工事の注文者側における設計技術者として設計に従事した経験は、①技術者が公務員であること、②建設業許可を取得している建設業者での経験を前提としているからです。
更に、建設工事の注文者側における設計技術者として設計に携わっていた実績についての証明は、例えば、その設計技術者の名前が建設工事の発注書や施工体制図等に記載されているか否かにかかっています。
同様に、建設工事の注文者側における現場監督技術者についても、例えば、委託契約書等を必要としており、現場監督技術者としての業務内容を明確に確認できなければなりません。
この仕事は専任技術者の実務経験にあたらないの
前段では、専任技術者(専技)の実務経験にあたる経験(仕事)についてご説明しました。
ここまでの記事を読んでいただき、建設業者様の中には、専任技術者(専技)の実務経験について「大体わかった。難しいことは抜きにして、要は何かしら現場の仕事に携わっていればいいんだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、建設業許可の専任技術者(専技)の実務経験については、そう簡単でもないのです。
というのも仮に建設工事の現場における仕事であっても、専任技術者(専技)の実務経験にならない施工現場経験もあるのです。
例えば、建設工事の施工現場における単なる雑務に関する経験は、残念ながら専任技術者(専技)の実務経験になりません。
また、建設現場に現場事務所があって、その現場事務所に建設業者様の事務員がいらっしゃる場合はどうでしょうか。
この現場事務所における事務系の仕事に関する経験についても、たとえ建設工事の施工現場における経験であっても、専任技術者(専技)の経験に含めることはできません。
建設工事の施工現場における管理業務であっても事務系の仕事(事務員)の経験は、建設工事の施工に関する技術上の経験とは言えないのです。
また、建設工事の施工現場における保安要員や警備要員としての経験も、建設工事の施工に関する技術上の経験とは言えません。
従って、建設工事の施工現場における保安要員や警備要員の経験も、専任技術者(専技)の経験にならないのです。
そもそも保安や警備業務そのものも建設工事の請負には当たりません。
<専任技術者の実務経験に該当しない経験>
- 建設工事の工事現場の単なる雑務に関する経験
- 建設工事の工事現場の事務系の仕事に関する経験
- 建設工事の工事現場における保安要員としての経験
専任技術者の実務経験の証明期間ってなに
最後に、建設業許可を新規取得するための専任技術者(専技)の実務経験に関してもう一つ重要なことをご説明します。
それは、専任技術者(専技)の実務経験の証明期間についてです。
建設業者様は、建設業許可を新規取得するため専任技術者(専技)の一定期間の実務経験を書面で証明しなければなりません。
専任技術者(専技)の実務経験の証明に必要となる期間は、専任技術者(専技)が許可を取得したい工事業種に必要な指定学科を卒業しているか、卒業した学校は大学か、高校か等によって異なっています。
仮に、専任技術者(専技)にしたい技術者の方が、国家資格者でもなく、許可の取得に必要となる指定学科を卒業していない場合、実務経験証明の期間は10年間となります。
更に、専任技術者(専技)の実務経験を証明する者によって証明書類の違いも出てきます。
例えば、専任技術者(専技)の実務経験を証明する者が無許可業者である場合、工事請負契約書、注文書、請求書と入金確認(通帳)の10年間分の原本や写しを必要としています。
専任技術者の実務経験ってなに(まとめ)
ここまで建設業許可を新規取得したい場合の専任技術者(専技)の実務経験に関して基本事項をご説明してきました。
建設業許可を新規取得するためには、多くのケースで専任技術者(専技)の実務経験の証明を避けて通ることはできません。
建設業者様におかれては、専任技術者(専技)の実務経験について、専任技術者(専技)の要件に関わる重要な事項として、しっかりと理解を深めていただきたいと思います。
それでも、専任技術者(専技)の実務経験について、よくわからないという建設業者様は、弊事務所までお気軽にお問合せください。
弊事務所では、建設業許可の専任技術者(専技)に関してお困りの建設業者様からのご相談を積極的に承っております。
行政書士に建設業許可の取得を依頼する場合
行政書士に実務経験証明による建設業許可申請をご依頼される際のご依頼の流れ・行政書士の料金・法定手数料等は、以下の通りとなります。
ご依頼の流れ
実務経験証明による建設業許可申請をご希望される場合のご依頼の流れとなっています。
お客さま | お電話・メールにて出張相談(無料)をご予約ください。 |
行政書士 | 貴社(または弊事務所)にて直接、実務経験証明のよる建設業許可申請のご相談をいたします。 |
お客さま | 相談内容にご納得の後、業務の正式なお申込み。 |
料金の目安
行政書士にて、実務経験証明による建設業許可申請を代行させていただく際の料金目安となります。
許可の種類 | 許可区分 | 証明方法 | 報酬額目安(税抜) |
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知事許可 | 一般 | 実務経験 | 180,000円~ |
特定 | 実務経験 | 230,000円~ |
法定手数料・登録免許税など
行政書士の目安料金のほか、実務経験証明による建設業許可の取得に必要な諸費用となっています。
許可の種類 | 法定手数料 | 登録免許税 | その他の実費 |
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知事許可 | 90,000円 | - | 数千円程度 |
無料相談のお薦め
弊事務所では初回のご相談を原則的に出張相談でお受けしております。
この初回出張相談は無料となっております。