- 東京都の経営事項審査の評点を上げたいんだけれど
- 完成工事高や元請完成工事高等の営業成績以外で、東京都の経営事項審査の評点を上げる方法はないの・・・
- 東京都の経営事項審査の評点を上げるには、先ずは、Wを確認するってどういうこと・・・
毎年、東京都の経営事項審査(経審)を受けておられる建設業者様も、初めて東京都の経営事項審査(経審)を受けようと検討されている建設業者様も、どうすれば評点(P点)を上げることができるか、お悩みのことと思います。
確かに、完成工事高を上げて、元請完成工事高を増やし、営業利益を増やすことができれば東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)を上げることができます。
完成工事高や元請完成工事高、営業利益について建設業者様に頑張って頂くことは当然として、それらの項目は、競合相手や景気等、外部の環境から大きな影響を受けることも事実です。
東京都の経営事項審査(経審)で評点(P点)アップ
では、外部の環境に影響されず、確実に、東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)を上げる方法はないのでしょうか。
費用を伴う事柄もありますが、競合相手や景気等、外部の環境に左右されない、自社の取り組みだけで東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)を上げられる方法があります。
本記事では、東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)アップのために、押さえておきたい自社の取り組みについてご説明いたします。
もちろん、費用を伴う事柄もあります、ただ、何と言っても東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)を大きく上げることができます。
東京都の経営事項審査の評点(P点)アップのために、先ずは、自社の取り組みをチェックしましょう。
経営事項審査(経審)の評点(P点)の仕組み(計算式)
東京都の経営事項審査(経審)を受けると、東京都から建設業者様に経営事項審査(経審)の結果通知書が郵送されてきます。
建設業者様の中には、経営事項審査(経審)の結果通知書の評点(P点)はご覧になりますが、後の項目は複雑で良く分からないとご覧にならない方もいらっしゃいます。
確かに、東京都より経営事項審査(経審)の結果通知書をもらっても、何やら細々とした項目に数字や文字が入っており、意味は分かりづらいと思います。
しかし、複雑に見える東京都の経営事項審査の評点(P点)も、実は大きく5つの要素から成り立っています。
その5つの要素とは、X1・X2・Z・W・Yです。
X1は完成工事高、X2は自己資本額、Zは技術職員数と元請完成工事高、Wは社会性等、Yは経営状況となっています。
そして、東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)は、次の計算式よって算出されます。
- P=0.25×X1+0.15×X2+0.2×Y+0.25×Z+0.15×W
本記事では、この中でもW(社会性等)について着目していきます。
後の要素については、一先ず、置いておきましょう。
W(社会性等)で加点を目指そう
建設業者様、自社のW(社会性等)はどうなっていますか。
「どきっ」とされた建設業者様は、初めにW(社会性等)の加点を目指していきましょう。
W(社会性等)の項目の中には、1項目あたり評点(P点)換算で21点という大幅加点になる項目もあります。
他方、社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)に加入していないと大幅減点になってしまいます。
実際、社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)に加入していない場合のW(社会性等)の最低点は-1995点となっています。
これでは、工事完成高や元請完成工事高、営業利益での頑張りは水泡となってしまいます。
ここは、社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)にしっかり加入して、大幅減点を避けるようにしましょう。
東京都の経営事項審査の評点(P点)を上げるためには、社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)の加入は必須と考えてください※。
その他にも社会性等の項目には、建設業退職金共済制度(建退共)加入の有無、退職一時金制度の有無、法定外労働災害補償制度(法定外労災)加入の有無等、評点(P点)の加点を期待できる項目があります。
費用の掛かる項目もありますが、東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)で各々21点の加点となっています。
自社の取り組みだけで獲得できる評点(P点)の点数です。
これら社会性等の項目に取り組んでいない建設業者様は、是非ともご検討ください。
※令和2年10月1日の建設業法改正について
建設業法改正によって、社会保険への加入は建設業許可の要件となっています。
適用が除外されるケースを除き、社会保険の加入を確認できない場合、新規・業種追加・更新申請等の許可申請や承継等の認可申請を行うことはできません。
既に建設業許可を有している場合には、令和2年10月1日以降に申請を行うと建設業許可の取消事由となります。
社会性等の制度加入の注意事項
但し、建設業退職金共済制度(建退共)、退職一時金制度、法定外労働災害補償制度(法定外労災)等の社会性等の制度の加入についても少し注意点があります。
東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)を上げるためには、それらの制度にただ加入すれば良いということではないのです。
例えば、建設業退職金共済制度(建退共)については実際に証紙を購入しなければなりません。
そればかりか実際に履行していないと経営事項審査(経審)に必要となる建設業退職金共済事業加入履行証明書の発行を受けられません。
建設業退職金共済制度(建退共)に加入しているだけでは経営事項審査(経審)上の加点はもらえないのです。
また、法定外労働災害補償制度(法定外労災)の場合、法定労災加入の上、次の4条件を全て満たしている必要があります。
①業務災害と通勤災害を担保
②死亡および障害等級第1~7級まで補償
③自社従業員およぶ全ての下請負人の職員を対象
④施工する全工事を保証
更に、いつそれらの社会性等の制度に加入していなければならないかという注意点もあります。
東京都の経営事項審査(経審)には、審査基準日というものが設定されています。
具体的には、審査基準日とは、建設業者様の決算日となっています。
つまり、東京都の経営事項審査(経審)を受ける際には、審査基準日、すなわち決算日時点で、それらの社会的制度に加入していなければならないのです。
社会性等の制度加入をお考えの建設業者様は、自社の決算日と東京都の経営事項審査(経審)の基準日に注意してください。
東京都の経営事項審査(経審)で評点(P点)アップ(まとめ)
ここまで、東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)をアップするための、初めに取り組むべき事柄についてご説明してきました。
具体的には、自社の取り組みだけで加点が期待できる、社会性等の制度加入をご紹介しています。
特に、社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)については、未加入は経営事項審査(経審)の評定(P点)上大幅な減点になることを忘れないでください。
その他にも、評点(P点)の大幅加点となる社会性等の制度の加入についてもご説明しました。
本記事は、東京都の経営事項審査(経審)の評点(P点)アップの初級編となっています。
弊事務所では、決算変更届や経営状況分析申請を含め、東京都の経営事項審査(経審)について建設業者様に代わり申請を代行しております。
東京都の経営事項審査(経審)でお悩みの建設業者様は、お気軽に弊事務所までお問合せください。