- 特定建設業の専任技術者の要件って、どうなっているの
- 特定建設業の専任技術者にも、実務経験証明でなれるの・・・
- 特定建設業の専任技術者の指導監督的実務経験って、なんなの・・・
東京都の建設業許可を取得するには、建設業者様は厳しい許可基準を全て満足しなければなりません。
厳しい許可基準の中でも、特に重要な許可基準のひとつとして、専任技術者(専技)の営業所への常勤というものがあります。
でも、どんな技術者でも専任技術者(専技)になれるわけではありません。
東京都の建設業許可を取得するには、一定の資格や経験を持つ技術者を専任技術者(専技)として営業所に常勤させる必要があるのです。
特定建設業の専任技術者の高度な許可基準
ところで、建設業許可の区分には、一般建設業と特定建設業の区分があります。
一般建設業と特定建設業で営業所に常勤させる専任技術者(専技)に何か違いはあるのでしょうか。
それとも一般建設業と特定建設業で必要とされる専任技術者(専技)に何も違いはないのでしょうか。
実は、特定建設業の場合、営業所に常勤させる専任技術者(専技)になれる技術者の資格や経験は、一般建設業の専任技術者(専技)に比べて、かなり高度な基準となっています。
<特定建設業の専任技術者の主な許可基準>
特定建設業の専任技術者(専技)となれる技術者には、大きく分けて2種類の技術者がいます。
ひとつは、建設業の種類に応じた高度な技術検定の合格者や免許取得者となっています。
例えば、1級の技術検定合格者、技術士、1級建築士等を挙げることができます。
もうひとつは、一般建設業の営業所に常勤させる専任技術者(専技)の基準を満たした上で「特定建設業を受けようとする建設業の工事について、元請として4,500万円以上の工事を2年以上指導監督した実務経験者」となります。
ただし、指定建設業※については実務経験者を営業所に常勤させる専任技術者(専技)にすることはできません。
本記事では、東京都で特定建設業を取得するに際し、営業所に常勤させる専任技術者(専技)に必要となる指導監督的実務経験の確認資料について詳しくご説明いたします。
※指定建設業(土木工事業・建築工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・電気工事業・造園工事業)
指導監督的実務経験の確認資料(東京都の場合)
- 実務経験証明期間の常勤を確認できるもの
専任技術者(専技)の実務経験期間の常勤を確認するものとして、例えば、健康保険被保険者証(写)・厚生年金被保険者記録照会回答票(写)等を用意します。
これらの確認資料には、専任技術者(専技)が所属している(していた)事業所名が記載されている必要があります。
そして、この専任技術者(専技)の常勤の確認書類については、一般建設業と特定建設業で大きく異なることはありません。
決算変更届の工事経歴書・建設工事の契約書と施工体系図
- 決算変更届の工事経歴書で主任技術者であった記載のあるもの
- 実務経験の内容欄に記入した工事の契約書の写(原本提示)と施工体系図
ただし、指導監督的実務経験については、特定建設業の専任技術者(専技)にのみ課されている確認資料となります。
指導監督的実務経験によって特定建設業の専任技術者(専技)になろうとする場合、その事業者の決算変更届の工事経歴書の主任技術者はその技術者(専任技術者の予定者)でなければなりません。
また、その対象となる指導監督的実務経験として認められる建設工事は請負金額4,500万円以上(含、消費税)の元請工事となります。
たとえ、請負金額4,500万円以上(含、消費税)の建設工事であったしても、下請工事では指導監督的実務経験として認められません。
もし、その技術者(専任技術者の予定者)が決算変更届の工事経歴書に主任技術者として記載されていなかったり、他の技術者が主任技術者になっていたりする等の不整合のある場合は、決算変更届の訂正を必要とします。
そして、この決算変更届の訂正の根拠として、建設工事の契約書や施工体制図等※の提示を求められます。
※施工体制図のない場合の対応(参考)
施工体系図が作成されていない場合、特定建設業に必要となる専任技術者(専技)の指導監督的実務経験を全く証明できないのでしょうか。
東京都の建設業許可(申請・変更)の手引には明記はされていませんが、施工体系図が作成されていない場合、その技術者(専任技術者の予定者)の施工現場における役割が分かる代替資料を探すことになります。
例えば、その技術者(専任技術者の予定者)が指導監督的立場の技術者として記載されている工事指示書等も補足資料となる可能性があります。
東京都の特定建設業を取得されたい建設業者様は、施工体系図が作成されていない場合、その技術者(専任技術者の予定者)の指導監督的立場を説明できる他の補足資料をお探し願います。
指導監督的実務経験
最後に、特定建設業の専任技術者(専技)の実務経験である「指導監督的実務経験」についてもう一度確認しておきます。
指導監督的実務経験とは「建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような資格で工事の技術面を総合的に指導監督した経験」を言っています。
そして、その指導監督した経験を指導監督的実務経験証明書に記載して証明することになります。
ただし、この指導監督的実務経験証明書に記載できる実務経験は、1件の請負代金が4,500万円以上の完成工事となります。
しかも、この指導監督的実務経験はあくまでも元請として請け負った建設工事でなければなりません(下請としての経験は含まれません)。
また、実務経験の内容として指導監督的実務経験証明書に記載した各建設工事の工事施工期間は重複できません。
更に、各建設工事の経験年数の始まりの月も実務経験期間に算入しません。
その上で、各工事の実務経験期間の合計を2年(24ヶ月)以上必要としています。
特定建設業の専任技術者(専技)の「指導監督的実務経験」の証明がいかに高度であることかおわかりいただけたと思います。
指導監督的実務経験の確認資料(東京都の場合)まとめ
本記事では、東京都で特定建設業を取得するに際し、営業所に常勤させる専任技術者(専技)に必要となる指導監督的実務経験の確認資料について詳しくご説明しております。
東京都の場合、指導監督的実務経験証明書に記載した工事について、決算変更届の工事経歴書の主任技術者としての記載の確認、決算変更届の訂正と契約書・施工体系図等の提示を求められています。
また、施工体系図がない場合でも、どのように考えて指導監督的実務経験を証明するのかについてもご説明しております。
弊事務所では、東京都の建設業許可について、組織的・人的・物的・財産的基礎要件の確認から、必要書類の収集、申請書の作成、東京都への提出代行まで、手続き全般をサポートしております。
東京都の建設業許可でお悩みの建設業者様は、お気軽にご相談ください。
行政書士に建設業許可(新規)の取得を依頼する場合(ご参考)
行政書士に東京都の建設業許可申請(新規)をご依頼される際のご依頼の流れ・行政書士の料金・法定手数料等は、以下の通りとなります。
ご依頼の流れ
建設業許可申請をご希望される場合のご依頼の流れとなっています。
お客さま | お電話・メールにて相談(無料)をご予約ください。 |
行政書士 | 東京都の建設業許可申請(新規)のご相談をいたします。 |
お客さま | 相談内容にご納得の後、業務の正式なお申込み。 |
料金の目安
行政書士にて、東京都の建設業許可申請(新規)を代行させていただく際の料金目安となります。
許可の種類 | 許可区分 | 証明方法 | 報酬額目安(税抜) |
---|---|---|---|
東京都知事許可 | 一般 | 国家資格 | 150,000円~ |
実務経験 | 180,000円~ | ||
特定 | 200,000円~ |
法定手数料・登録免許税など
行政書士の目安料金のほか、東京都の建設業許可(新規)の取得に必要な諸費用となっています。
許可の種類 | 法定手数料 | 登録免許税 | その他の実費 |
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東京都知事許可 | 90,000円 | - | 数千円程度 |
無料相談のお薦め
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