- 特定建設業の特定営業所技術者の要件って、どんな基準なの
- 特定建設業の特定営業所技術者に、実務経験証明だけでなれるの・・・
- 特定建設業の特定営業所技術者の指導監督的実務経験って、なんなの・・・
東京都の建設業許可の取得には、建設業者様は厳しい許可要件を全て充たす必要があります。
許可要件の中でも、特に重要な許可要件のひとつとして、営業所技術者等(専任技術者(専技))を営業所へ常勤で置くという基準があります。
では、営業所技術者等(専任技術者(専技))には技術者であれば誰でもなれるのでしょうか。
実は、営業所技術者等(専任技術者(専技))には、一定の国家資格や実務経験を持つ技術者でなければなりません。
従って、東京都の建設業許可を取得したい建設業者様は、自社の技術者の中から一定の国家資格や実務経験を持つ技術者を営業所技術者等(専任技術者(専技))としなければならないのです。
特定建設業の特定営業所技術者(専技)の高度な許可基準
ところで、建設業許可の区分には、一般建設業と特定建設業の区分があることをご存じでしょうか。
本記事では特定建設業の営業所技術者等(専任技術者(専技))に焦点を当てていきます。
一般建設業と特定建設業で営業所に常勤させる営業所技術者等(専任技術者(専技))に何か違いはあるのでしょうか。
それとも一般建設業と特定建設業で必要とされる営業所技術者等(専任技術者(専技))に何も違いはないのでしょうか。
実は、特定建設業の場合、営業所に常勤させる営業所技術者等(専任技術者(専技))になれる技術者の国家資格や実務経験は、一般建設業の営業所技術者等(専任技術者(専技))に比べ、かなり高度な基準となっています。
現在では、名前も違い、一般建設業は営業所技術者、特定建設業は特定営業所技術者、合わせて営業所技術者等(専任技術者(専技)とされています。
<営業所技術者等(専任技術者(専技))の区別>
- 一般建設業は営業所技術者
- 特定建設業は特定営業所技術者
<特定建設業の特定営業所技術者(専任技術者(専技)の主な許可基準>
特定建設業の特定営業所技術者(専任技術者(専技))となれる技術者には、大きく分けて2種類の技術者を挙げられます。
◎ ひとつは、建設業の種類に応じた高度な技術検定の合格者や免許取得者となっています。
例えば、1級の技術検定合格者、技術士、1級建築士等を挙げられます。
◎ もうひとつは、一般建設業の営業所に常勤させる営業所技術者(専任技術者(専技))の基準を満たした上で「特定建設業を受けようとする建設業の工事について、元請として4,500万円以上の工事を2年以上指導監督した実務経験者」となります。
ただし、指定建設業については特定営業所技術者(専任技術者(専技))になることはできません※。
※指定建設業(土木工事業・建築工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・電気工事業・造園工事業)
本記事では、東京都で特定建設業を取得するに際し、営業所に常勤させる特定営業所技術者(専任技術者(専技))に必要となる『指導監督的実務経験』の確認資料について詳しく説明いたします。
特定営業所技術者(専技)の指導監督的実務経験の確認資料
- 実務経験証明期間の常勤を確認できるもの
特定営業所技術者(専任技術者(専技))の実務経験期間の常勤の確認資料として、例えば、以下のいずれかの資料を用意します。
- 有効期限内の既存の健康保険被保険者証(写)
- マイナ保険証(表面)(写)(資格確認書の(写))と健康保険・厚生年金保険被保険者に関する標準報酬決定通知書(写)
- 厚生年金被保険者記録照会回答票(写)等
これらの確認資料で、特定営業所技術者(専任技術者(専技))が所属している(していた)事業所名を確認します。
そして、上記の実務経験証明期間の常勤の確認書類については、一般建設業と特定建設業で異なる点はありません。
一般建設業と特定建設業で異なっているのは、特定建設業の特定営業所技術者(専任技術者(専技))には『指導監督的実務経験』を課されている点にあります。
決算変更届の工事経歴書・建設工事の工事請負契約書と施工体系図
- 決算変更届の工事経歴書で主任技術者であった記載のあるもの
- 決算変更届の工事経歴書に未記載の工事、主任技術者として記載のない等の不整合のある場合の決算変更届の訂正
- 指導監督的実務経験証明書の内容欄に記入した工事請負契約書の写と施工体系図の写
指導監督的実務経験証明書は、特定建設業の特定営業所技術者(専任技術者(専技))にのみ提出する書類となっています。
当然、指導監督的実務経験証明書に記載されている全工事について、確認資料を必要としています。
先ずは、指導監督的実務経験証明書に記載できる建設工事は請負金額4,500万円以上(含、消費税)の元請工事のみとされています。
たとえ、請負金額4,500万円以上(含、消費税)の建設工事であったとしても、下請工事では指導監督的実務経験として認められず、指導監督的実務経験証明書に記載することはできません。
次に、指導監督的実務経験によって特定建設業の特定営業所技術者(専任技術者(専技))になろうとする場合、その建設業者の決算変更届の工事経歴書の主任技術者はその技術者でなければなりません。
仮に、指導監督的実務経験証明書に記載予定の工事が決算変更届に工事実績として未記載であったり、その技術者(特定営業所技術者(専任技術者(専技))が決算変更届の工事経歴書に主任技術者として記載されていなかったり、他の技術者が主任技術者になっていたりする等の不整合のある場合には、決算変更届の訂正も必要としています。
そして、この決算変更届の訂正の根拠としても、建設工事の工事請負契約書や施工体制図等の写の提出を求められています。
※施工体制図のない場合の対応(参考)
施工体系図が作成されていない場合、特定建設業に必要となる特定営業所技術者(専任技術者(専技))の指導監督的実務経験を全く証明できないのでしょうか。
東京都の建設業許可(申請・変更)の手引には明記はされていませんが、施工体系図が作成されていない場合、その技術者(特定営業所技術者(専任技術者(専技)の予定者)の施工現場における役割を明確に示す代替資料を探すことになります。
例えば、その技術者(特定営業所技術者(専任技術者(専技)の予定者)が指導監督的立場の技術者として記載されている工事指示書等も補足資料となる可能性はあります。
東京都の特定建設業を取得されたい建設業者様は、施工体系図が作成されていない場合、その技術者(特定営業所技術者(専任技術者(専技)の予定者)の指導監督的立場を説明できる他の補足資料をお探し願います。
特定営業所技術者(専技)の指導監督的実務経験
特定建設業の営業所技術者(専任技術者(専技))の実務経験である「指導監督的実務経験」について再度確認しておきます。
指導監督的実務経験とは「建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような資格で工事の技術面を総合的に指導監督した経験」を言います。
そして、東京都の特定建設業を取得したい建設業者様は、その技術者が指導監督した経験を指導監督的実務経験証明書に記載して証明することになります。
この指導監督的実務経験証明書に記載できるのは、はあくまでも元請として請け負った建設工事のみとなります。
請負代金の大小にかかわらず下請として請け負った建設工事の実務経験は記載できません。
更に、この指導監督的実務経験証明書に記載できる実務経験は、1件の請負代金が4,500万円以上の完成工事となります。
また、実務経験の内容として指導監督的実務経験証明書に記載した各建設工事の工事施工期間を重複させることもできません。
加えて、各建設工事の経験年数の始まりの月も実務経験期間に算入できません(工期片落ち)。
その上で、各建設工事の指導監督的実務経験期間の工期合計を2年(24ヶ月)以上必要としています。
特定建設業の特定営業所技術者(専任技術者(専技))の「指導監督的実務経験」の証明の難易度がいかに高いかおわかりいただけたと思います。
特定営業所技術者(専技)の指導監督的実務経験の確認資料(まとめ)
本記事では、東京都で特定建設業を取得するに際し、営業所に常勤させる特定営業所技術者(専任技術者(専技))に必要となる指導監督的実務経験の確認資料について詳しく説明しております。
<記載工事の確認書類>
- 決算変更届の工事経歴書で主任技術者であった記載のあるもの
- 決算変更届の工事経歴書に未記載の工事、主任技術者として記載のない等の不整合のある場合の決算変更届の訂正
- 指導監督的実務経験証明書の内容欄に記入した工事請負契約書の写と施工体系図の写
<指導監督的実務経験の対象となる工事と必要な期間について>
- 元請工事
- 1件の請負代金が4,500万円以上(含、消費税)の完成工事
- 実務経験期間の工期合計を2年(24ヶ月)以上必要(工期は片落ち)
- 指定建設業は指導監督的実務経験では認定不可
弊事務所では、東京都の建設業許可について、組織的・人的・物的・財産的基礎要件の確認から、必要書類の収集、申請書の作成、東京都への提出代行まで、手続き全般をサポートしております。
東京都の建設業許可の取得、特に特定建設業許可の取得でお悩みの建設業者様は、弊事務所までお気軽にご相談ください。
行政書士に建設業許可(新規)の取得を依頼する場合(ご参考)
行政書士に東京都の建設業許可申請(新規)をご依頼される際のご依頼の流れ・行政書士の料金・法定手数料等は、以下の通りとなります。
ご依頼の流れ
建設業許可申請をご希望される場合のご依頼の流れとなっています。
お客さま | お電話・メールにて相談(無料)をご予約ください。 |
行政書士 | 東京都の建設業許可申請(新規)のご相談をお受けします。 |
お客さま | 相談内容にご納得の後、業務の正式なお申込み。 |
料金の目安
行政書士にて、東京都の建設業許可申請(新規)を代行させていただく際の料金目安となります。
許可の種類 | 許可区分 | 証明方法 | 報酬額目安(税抜) |
---|---|---|---|
東京都知事許可 | 一般 | 営業所技術者が国家資格者 | 1650,000円~ |
営業所技術者が実務経験者 | 200,000円~ | ||
特定 | 200,000円~ |
法定手数料・登録免許税など
行政書士の目安料金のほか、東京都の建設業許可(新規)の取得に必要な諸費用となっています。
許可の種類 | 法定手数料 | 登録免許税 | その他の実費 |
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東京都知事許可 | 90,000円 | - | 数千円程度 |
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