一般建設業の初回更新と業種追加を同時申請、財産的基礎の証明の盲点(東京都の場合)

  • 直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績って何なの
  • 一般建設業の初回更新時にも財産的基礎要件を再審査されるの・・・
  • 一般建設業の初回更新時に業種追加しても財産的基礎の審査はないの・・・

建設業者様が東京都の建設業許可を取得するには、建設業者様は全ての許可要件を満足していなければなりません。

その厳しい東京都の建設業許可の許可要件の中に、財産的基礎要件も含まれております。

実は、一般建設業許可と特定建設業許可で建設業者様に必要とされる財産的基礎要件も変わってきます。

ここでは、多くの建設業者様が希望される一般建設業許可の財産的基礎要件を挙げさせていただきます。

<一般建設業許可の財産的基礎要件(次のいずれかに該当すること)>

  • 自己資本の額が500万円以上あること
  • 500万円以上の資金調達能力があること
  • 直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在東京都知事許可を有していること

東京都は、上記3つの許可基準によって一般建設業許可を希望される建設業者様の財産的基礎要件を審査しています。

一般建設業許可の財産的基礎の許可基準の盲点

建設業者様は、施工現場の合間を縫って建設業許可申請書の確認書類を集め、申請書を作成し、施工現場を抜けて東京都庁に建設業許可申請に来られることも多いと思います。

ここまで何時間も掛けて建設業許可申請の準備をしたのに、少しの資料不足で東京都に申請書は受理されず、再度東京都庁に足を運ばなければならないのはとても悔しいことです。

そんなことにならないよう本記事では、3番目の許可基準「直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在東京都知事許可を有していること」についての注意点をご説明させていただきます。

建設業者様にとってこの3番目の許可基準「直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在東京都知事許可を有していること」は盲点の許可基準となっています。

建設業者様には、本記事を読んでいただき、3番目の許可基準の盲点について注意の上、東京都の建設業許可申請の準備をしていただきたいと思います。

どうして財産的要件を確認されるの

盲点の本題に入る前に、大前提となる重要なことを確認しておきます。

建設業者様は、建設業許可を取得したり、維持したりする際、どうして東京都に財産的基礎要件を確認されるのでしょうか。

その理由、少し考えてみましょう。

建設業者様は、建設業を営む場合、資材の購入・労働者の募集・機材の購入等・実際に工事を着工するための準備資金を必要としています。

つまり、東京都は、建設業者様が建設工事の準備資金を用意できるのか、本当に建設工事を施工する能力を持っているのかを厳しく審査しているのです。

この審査こそが建設業者様の財産的基礎要件の確認となっています。

そのため、表面上は許可基準を満足していても、例えば、建設業者様が倒産することが明らかであれば、東京都は建設業許可を認めてくれません。

直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績ってなに

3番目の許可基準の「直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績」とは、東京都の建設業許可を新規に受けてから5年を経過していることを意味しています。

わかりやすく言えば、東京都の建設業許可を1回以上更新している場合と考えてください。

そんなことわかりきっていると思われた建設業者様もいらっしゃるかと思います。

でも、この3番目の許可基準には侮れないケースもあります。

と言うのも、この3番目の許可基準の証明に引っかかってしまい、再度東京都庁の窓口に来ることになったり、建設業許可申請に思いのほか時間をかけることになったりする建設業者様も少なからずいらっしゃるからです。

もう少し具体的にご説明します。

「直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績」とは、東京都の建設業許可を受けた営業を文字通り直前5年間以上継続していることを言っています。

例えば、建設業を廃業していたり、建設業許可の有効期間を満了してしまい建設業許可を切らしてしまったり(抹消)、新規申請から一度も更新していなかったりした場合、直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があるとはみなされません。

ただし、例外として、東京都の建設業許可の初回の更新申請においては、5年間東京都知事許可を受けて継続して営業したものとしてみなされています。

従って、建設業許可の初回の更新申請の場合には、一般建設業許可においては改めて東京都から財産的基礎要件を審査されることはありません(証明の必要はありません)。

直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績の盲点

それでは、建設業者様が一般建設業許可の初回の更新申請と同時に業種追加申請を行った場合には、どうなるのでしょうか。

東京都の一般建設業許可の初回の更新申請と同時に業種追加申請するのだから、建設業者様は改めて東京都に財産的基礎要件を審査されないのでしょうか(証明の必要はないのでしょうか)。

いいえ、一般建設業許可の初回の更新申請と同時であっても、業種追加申請を行う場合には、改めて東京都から自己資本や資金調達能力について審査(確認)されることになります。

一般建設業許可の初回の更新申請と同時でも、業種追加申請を行う場合、一般建設業許可の初回の更新申請の例外は適用されません。

例外の適用は、あくまでも一般建設業許可の初回の更新申請を単独で行った場合のみとなります。

そこで問題となるのは、建設業者様の純資産合計(自己資本)についてです。

建設業者様の純資産合計(自己資本)が500万円以上あれば良いのですが、なければ、建設業者様は東京都に資金調達能力を証明しなければなりません。

つまり、建設業者様は、純資産合計(自己資本)の状況によっては取引先金融機関発行の預金残高証明書(証明日より1ヶ月以内のもの)や融資証明書を用意する必要もあるのです。

もちろん、各証明書の前提として建設業者様名義の口座に500万円以上の資金を必要としています。

従って、建設業者様の中には、工事代金の入金時期や金融機関の事務手続時間によって、思いがけなく建設業許可の申請に時間を要するケースも出てきます。

建設業許可の状況や申請手続の内容によっては、建設業者様には普段は余り意識されることのない「直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績のあること」が問題となるケースもあるのです。

例えば、東京都の一般建設業許可の初回の更新申請と同時に業種追加申請を行う場合、うっかりと財産的基礎要件についての証明の準備を忘れてしまう建設業者様もいらっしゃるのです。

注意すべき建設業許可の状況と申請手続の内容を事例で確認

ここで注意すべき建設業許可の状況や申請手続の内容について、事例を用いて確認してみます。

<注意すべき建設業許可の状況と申請手続の内容>

  • 東京都の建設業許可が途切れた場合(廃業や更新申請を忘れた場合)
  • 更新前の業種追加や更新と同時に業種追加した場合(5年間東京都知事許可を受けて継続して営業していない場合+業種追加)

<事例1>

  • 一般建設業許可の期間が平成28年4月1日~令和3年3月31日で、更新申請を忘れてしまった場合

建設業者様が慌てて期限翌日の令和3年4月1日に新規申請しても、直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業をしていたとはみなされません。

従って、建設業者様は、東京都に改めて「自己資本500万円以上あること」または「500万円以上の資金調達能力があること」を証明しなければなりません。

<事例2>

  • 一般建設業許可の期間が平成28年4月1日~令和3年3月31日で、令和3年2月28日に初回更新申請と業種追加申請を同時申請した場合

建設業者様が初回更新と業種追加を東京都に申請した時点では未だ東京都の建設業許可を取得してから5年間経過していません。

このケースについても直前5年間東京都知事許可を継続して営業していたとはみなされません。

従って、建設業者様は、東京都に改めて「自己資本500万円以上あること」または「500万円以上の資金調達能力があること」を証明しなければなりません。

一般建設業の初回更新と業種追加を同時申請、財産的基礎の証明の盲点(東京都の場合)(まとめ)

本記事では、建設業者様にとって盲点となる3番目の許可基準「直前5年間東京都知事許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在東京都知事許可を有していること」について注意点をご説明しております。

建設業許可の状況や申請手続の内容によっては、建設業者様は改めて金融機関の預金残高証明書(証明日より1ヶ月以内)や融資証明を準備する必要もあり、思いがけない手間や時間を必要とするケースも出てきます。

建設業者様は、建設業許可申請の際には3番目の許可基準について改めて東京都に証明する必要のあるケースに該当していないか慎重に確認をお願いします。

弊事務所は、東京都の建設業許可の新規申請に留まらず、更新申請や業種追加申請においても建設業者様を積極的にサポートしております。

具体的には、東京都の建設業許可について、建設業者様に代わって、各種要件の確認、証明書類等の収集、申請書の作成、提出の代行を行っております。

東京都の建設業許可の申請でお困りやお悩みの建設業者様、建設業専門の弊事務所までお気軽にご相談ください。

貴社への出張相談は、初回無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方も、予めお電話・メールでご予約ください)

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