- 決算が赤字だと、建設業許可はとれないの
- 決算で赤字を出してしまったが、建設業許可を取得したい・・・
- 建設業許可の財産的基礎要件には、赤字は駄目と書いてないよね・・・
建設業法は、許可要件として第7条第4項で「請負契約を履行するに足りる財産的又は金銭的信用を有しないことが明らかな者ではないこと」と定めています。
このような要件があるのは、建設業の営業には、資材の購入から工事着工まで様々な工事準備を必要とし、そのためには大きな資金を必要としているからです。
また、受注前の営業や受注後の工事においても、適切な活動と適正な施工を行う必要があり、そのためにも資金の確保は重要となっています。
特定建設業許可の財産的基礎と許可取得
では、建設業許可を取得したいにもかかわらず、たまたま、申請時の直近の決算で赤字を出してしまった建設業者様は、そのことだけで建設業許可を取得することはできなくなるのでしょうか。
確かに、特定建設業許可については、「欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと」が財産的基礎要件のひとつになっています。
ただ、ここで言われているのはあくまでも「欠損比率」のことであり、赤字の発生自体を問題にはしていません。
もちろん、赤字の額が大きいため繰越利益剰余金のマイナス額が、資本剰余金・利益準備金・その他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の合計金額を超えてしまう場合はあるでしょう。
ただ、特定建設業許可を取得できるかの判断は、欠損額の資本金に対する割合にかかっており、しっかりと欠損額を計算式に当てはめて確認する必要があります。
一般建設業許可の財産的基礎と許可取得
特定建設業許可については、「欠損比率」が財産的基礎要件のひとつになっているため、赤字を出してしまった場合、赤字の金額によっては許可要件を満たさなくなってしまいます。
それでは、一般建設業許可についてはどうなのでしょうか。
一般建設業許可は、「自己資本500万円以上」か「500万円以上の資金調達能力を有すること」が財産的基礎要件とされています。
また、特定建設業許可は、財産的基礎要件の全てを満たす必要がありますが、一般建設業許可については、ふたつの要件のうちどちらかひとつを満足させれば良いとなっています。
つまり、もし申請時の直近の決算で赤字会社になってしまったとしても、「500万円以上の資金調達能力を有すること」を証明できれば一般建設業の許可要件を満たすことはできるのです。
また、赤字を出しても、赤字となった事業年度のみの額を見て、許可申請できないと判断してはいけません。
なぜなら、その事業年度が赤字決算であっても、今までの事業の黒字によって決算書の貸借対照表の「純資産の部が500万円以上」になっていれば、その時点で「自己資本500万円以上」という財産的基礎要件を満足しているからです。
そして、純資産の部の額が500万円に満たない場合にのみ、もうひとつの要件である「500万円以上の資金調達を有すること」の証明を必要とするのです。
その場合は、取引先金融機関が発行する預金残高証明書(※)で500万円以上の資金調達能力を証明することになります。
※行政庁によっては、他の証明書を必要とする場合があり、行政庁との事前確認を必要とします。
尚、ここで注意すべきこととして、取引先金融機関が発行する預金残高証明書の証明期間(1か月)を挙げることができます。
と言うのは、預金残高証明書の有効期限は、証明書の発行日ではなく証明書に記載されている証明日が起算日となっているからです。
従って、証明日について十分に注意をしていないと預金残高証明書の有効期限を迎えてしまい、証明書の再発行や再発行手続きのために審査期間が長くなってしまうことがあります。
赤字会社で建設業許可を取得したい方へ(まとめ)
ここまで、赤字決算になってしまった場合でも、建設業許可を取得できるのかご説明してきました。
特定建設業許可と一般建設業許可の財産的基礎要件は異なっています。
ただ、両方の建設業許可とも全く取得ができないわけではありません。
赤字を出したからと言って、簡単に建設業許可の取得を諦めないでください。
特に、一般建設業許可であれば、許可を取得できる可能性があります。
先ずは、お手元にある決算書の貸借対照表の純資産の額を確認してください。
弊事務所では、建設業許可の財産的基礎要件でお悩みの建設業者様からのご相談を承っております。
建設業許可の財産的基礎要件でお悩みの建設業者様は、お電話・メールにてお気軽にお問合せください。
行政書士に建設業許可の新規申請を依頼する場合(ご参考)
行政書士に建設業許可の新規申請を依頼する場合のご依頼の流れ・行政書士の料金・法定手数料等についてご説明いたします。
ご依頼の流れ
建設業許可の新規申請をご希望される場合のご依頼の流れとなります。
お客さま | お電話・メールにて出張相談(無料)をご予約ください。 |
行政書士 | 貴社(または弊事務所)にて直接、建設業許可の新規申請のご相談をいたします。 |
お客さま | 相談内容にご納得の後、業務の正式なお申込み。 |
料金の目安
行政書士にて建設業許可(知事許可)の新規申請を代行させていただく際の料金目安となります。
許可の種類 | 許可区分 | 証明方法 | 報酬額目安(税抜) |
---|---|---|---|
知事許可 | 一般 | 国家資格 | 150,000円~ |
実務経験 | 180,000円~ | ||
特定 | 200,000円~ |
法定手数料・登録免許税など
行政書士の目安料金のほか、建設業許可(知事許可)の新規申請に必要な諸費用となります。
許可の種類 | 法定手数料 | 登録免許税 | その他の実費 |
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知事許可 | 90,000円 | - | 数千円程度 |
無料相談のお薦め
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